「最強ヘッジファンドLTCMの興亡」(R・ローフェンスタイン)
ようやく読み終わる。
金融工学やらデリバティブやらの話で素朴に疑問に思ったことは、ウォール街のロケットサイエンティストなどと呼ばれた、工学系の学問を学んだ人たちが、いきなり参入してきたこと。
ハイスクール出が結構いる現場で、いきなり大学院出が幅を利かせる歴史的経緯が良く分からなかったのである。
この本はLTCMというドリームチームの結成から崩壊までのわずか4年間の物語が中心で、そういう部分が詳しいわけではないのだが、なるほどと思ったのは、そもそも金融工学が勃興しつつある過程は、まだマイクロコンピュータが出現するかしないかという時代である。
PCが存在しないか、あったとしてもホビーパソコンの時代で、それなりの実務能力を持ったものといえば、最低でもミニコンピュータと呼ばれるものが必要だったはずである。
そのようなわけで、大学院で学んだ人たちしか、そのような機器を使ったことが無かったのであろう。
あとLTCMの手法が、人を出し抜くというよりは、本来妥当と思われる価値より低く評価されているもの、高く評価されているものを吟味するというのも意外だった。
最終的には、過大評価されていたものは、価格が下がるし、過小評価されていたものは価格が上がるのだが、その市場による価格調整の過程で儲けたというわけだ(インフレがちの国とそうでない国の通貨の交換レートが、即座には、きちんと反映していないことは最近みたばかりだ)。
特に日本のように市場が迅速に機能しない所だと、こういう人たちにムシられてしまうのだなあと思う。
ようやく読み終わる。
金融工学やらデリバティブやらの話で素朴に疑問に思ったことは、ウォール街のロケットサイエンティストなどと呼ばれた、工学系の学問を学んだ人たちが、いきなり参入してきたこと。
ハイスクール出が結構いる現場で、いきなり大学院出が幅を利かせる歴史的経緯が良く分からなかったのである。
この本はLTCMというドリームチームの結成から崩壊までのわずか4年間の物語が中心で、そういう部分が詳しいわけではないのだが、なるほどと思ったのは、そもそも金融工学が勃興しつつある過程は、まだマイクロコンピュータが出現するかしないかという時代である。
PCが存在しないか、あったとしてもホビーパソコンの時代で、それなりの実務能力を持ったものといえば、最低でもミニコンピュータと呼ばれるものが必要だったはずである。
そのようなわけで、大学院で学んだ人たちしか、そのような機器を使ったことが無かったのであろう。
あとLTCMの手法が、人を出し抜くというよりは、本来妥当と思われる価値より低く評価されているもの、高く評価されているものを吟味するというのも意外だった。
最終的には、過大評価されていたものは、価格が下がるし、過小評価されていたものは価格が上がるのだが、その市場による価格調整の過程で儲けたというわけだ(インフレがちの国とそうでない国の通貨の交換レートが、即座には、きちんと反映していないことは最近みたばかりだ)。
特に日本のように市場が迅速に機能しない所だと、こういう人たちにムシられてしまうのだなあと思う。