サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

函館のなかのロシア

2017-12-29 | ロシアコラム


「函館に行くなら、ココとココとココは必ず行きなさい!」と
ロシア女性S先生に命じられるまでもなく、行ってきました函館ロシア巡り。
まずは市電・バスの共通乗車券を購入し、函館駅前から市電に乗って
一気に終点「函館どつく前駅」へ。「どつく」って何を? 
どん突きのこと?と思っていたら「ドック(埠頭)」のことでした。

第一町ニャン発見。

このあとも雪のなかを歩く猫さんに遭遇。函館は猫多し。

ここはもう漁港の近く。坂をのぼれば海を見下ろす高台に
ロシア人墓地を含む外国人墓地があるはずなのだが、
朝から吹雪いているので、墓地をうろつくのは断念し、
一路、旧ロシア領事館を目指す。

このあたりにはお寺も多い。そのひとつ、実行寺。

日露修好条約に基づき、安政5年(1858年)、
ロシアからゴシュケーヴィチ一行が来日し、
最初に領事館を置いたのがこのお寺。
ロシア正教を日本に最初に広めたニコライ神父は、
一時ここで日本語を学んでいたという(S先生談)。

そのすぐ先、幸坂の途中にあるのが旧ロシア領事館。

レンガ造り2階建て。設計はドイツ人建築家R.ゼ―ル。
現在は内部見学不可。外からしか伺い知れないが、趣ある佇まい。


函館はとにかく火事の多い街だそうで、ロシア領事館も
一度は現在のハリストス正教会敷地内に建てられたものの、
隣にあった英国領事館の火災によって被災。
明治36年(1903年)に現在地に建設が始まるが、
日露戦争によって中断し、明治39年にやっと完成。
…と思えばまたまた火事に遭い、現在の姿になったのは
明治41年(1908年)のことだそう。

その後、ロシア革命が起こり、大正14年(1925年)から
昭和19年(1944年)までは、ソ連領事館として、
昭和39年(1964年)から平成8年(1996年)までは、
函館市の研修宿泊施設「青年の家」として、
長きにわたって使用されてきたが、現在は史跡として残るだけ。
再利用も検討されているようだが、中心地から離れているので
ちょっと難しいだろうなー。

雪道を踏みしめてさらに先に進むと、八幡坂の上に…。

ロシア極東連邦総合大学函館校。
日本で唯一のロシアの大学の分校で、本校はウラジオストク。
2年制のロシア語科と4年制のロシア地域学科があるのだそう。

八幡坂を振り返れば、海が広がるナイスビュー。

懐かしのチャーミーグリーン夫婦のCMロケ地がここだそう。

この日は日曜。目指す教会群のミサが終わるのを待つ間、
北方民族資料館を訪ねたところ…。

アイヌ民族同様に、熊送りの風習をもつ少数民族の分布図。
シベリア、極東地方、カムチャッカ、カラフトなど…。

北方ユーラシアの民族衣装も展示。
 

そして午後、いよいよ函館教会群のひとつ、函館ハリストス正教会へ。

万延元年(1860年)、ゴシュケーヴィチは領事館と共に聖堂を建設。
翌年の文久元年、領事館付き司祭として来日したのが、
前述のニコライ神父である。
東京神田のニコライ堂を築いたのは、もちろんこの方。

教会見学のあたりから、空に晴れ間が見え始める。

現在の聖堂は、大正5年(1916年)建立の二代目。
ロシア風ビザンチン様式の建物は、国の重要文化財指定。
高らかに鳴り響く鐘の音ゆえに、昔から「ガンガン寺」と呼ばれ、
現在は「日本の音風景百選」にも選ばれているそう。

ニコライ堂のような荘厳壮麗な雰囲気をイメージしていたが、
想像していたより小ぢんまりとして可愛らしい聖堂。
この小さな教会を拠点にして、ニコライがたったひとりで、
日本各地にロシア正教を広めていったかと思うと感慨深い。
残念ながら、山下りんのイコン画が飾られた内部は撮影禁止。

ついでながら、このお隣は、英国聖公会の聖ヨハネ教会。
さらにお向かいには、カトリック元町教会がある。
聖公会、カトリック、ロシア正教ともに
個人的に縁のある三宗派なので、等しく参拝。
   
左からカトリック教会、聖公会の建物外観、その内部。

開国と共に、日本布教に乗り出したキリスト教の各宗派。
ニコライは、日本を知るためにまず語学や文化を学び、
聖公会の司祭とも度々日本情報を交わし合っていたのだとか。
ライバル会社の駐在員と連携をとりつつ、海外市場を開拓した
かつての炎熱商人たちの姿ともダブるものあり。

あ、また猫発見!


あっという間に夕刻。なにせ冬の北海道は午後4時半には真っ暗。
かの有名な函館山からの夜景がこちら。


教会群もライトアップされて美しい。


函館山へのロープウェイは、中国や韓国からの観光客でぎゅう詰め。
人々はピストン輸送で麓から運ばれてきては展望台に放たれ、
スマホで夜景を撮り終えるや、寒さに震えて土産物屋に退散していく。

土産物屋をパスして直行したのが、この夜最後の訪問地。


洋食の老舗「五島軒」。明治12年創業。

正確にはレストラン部門の名は「雪河亭」というようですが、
あまりこの名は浸透しておらず、五島軒で十分通じる。

昼間の五島軒はこんな雰囲気。先の猫さんはこの前で遭遇。


なぜ五島軒が「函館のなかのロシア」かと言えば、
初代料理人の五島英吉が、ロシア料理を伝えたため。
五島列島出身の英吉は、長崎奉行所の通訳を務めていたが、
旧幕府軍に加わって函館に渡り、五稜郭で敗戦。
追われる身となった彼をかくまったのが、先のニコライだった。
ハリストス正教会に隠れ住みながら、ニコライから
ロシア料理のレシピを学んだ英吉は、その後、
函館でパン屋を営む若山惣太郎と出会い、
「ロシア料理とパンの店、五島軒」が誕生したという。

今もロシア料理のメニューがあるが、カレーのほうが有名に。
オーダーしたのはそのどちらでもない、今月のおすすめセット。
  
ほっとする上品な味。落ち着いた雰囲気。さすがS先生絶賛のお店。
レストランの隣には、ショップや展示コーナーもあり。

明治の洋風建築が残る函館の市街地。

小樽同様、坂の街ウラジオストクとちょっぴり似てる。

そしてロシア情緒をさらにかきたてるのが路面電車。

ロシアのトランバイより小ぶりで可愛い。
数分おきに運行しているので、とても便利。
乗っては降り、乗っては降りして市内を巡ること12時間。
雪の函館を存分に堪能したのであった。
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函館のクリスマス

2017-12-25 | 『勝手に帯広通信』
Wish You a Merry Christmas !


過日、函館の赤レンガ倉庫前にて
クリスマスツリーの点灯式を見てきました。
レーザーショーのあとは、いよいよイルミネーション点灯。

   

このあと海上に花火も打ち上げられ
明治文化が色濃く残る函館の雰囲気にマッチして
幻想的できれいでした。が、寒かったー。


「はこだてクリスマスファンタジー」は本日12月25日(月)まで。
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登別クマ牧場は雨だった

2017-12-13 | 『勝手に帯広通信』
早くも2カ月近くたってしまいましたが、秋のクマ牧場報告をば。


あいにくの雨の中、ロープーウェーを登りきると…


そこは、のぼりべつクマ牧場であった。

のしのし、こんにちは。子グマのコテツとダイチのお出迎え。


えへっ。


こんなこともできるよ。


かわいいねー。

これがおとなになると……すっかりおっさん。

第一牧場の男の子クマさんたち。

いよっ!


ちょうだいちょうだいのポーズ。


来園者はクマのエサを購入してエサやり体験ができるのだが、
エサを投げようとする人を見て、ふわりと飛んできた一羽のカラスあり。
てっきりクマの食べ残しを狙っているのかと思ったら、さにあらず。
投げた!…と思った瞬間、宙を舞うエサをかっさらっていく。

素晴らしい!さすがハシブトカラス、どこまで賢いのだ。
エサが人の手から離れるタイミングとエサまでの距離を瞬時に判断し、
見事な動体視力と確かな飛行技術を駆使して、
目当てのものを正確にキャッチしてみせるとは!

しかし、あまりに一瞬のことだったので、
エサが落ちてくると思って待ち構えていたクマは「あれ??」
エサを投げた人も、「あれ??エサはどこ?」とキョロキョロしてる。
その傍らで、カラスは悠々とエサをついばんでいたのであった。

園内にはクマ紹介も。

雨がひどくなってきたので、1頭1頭チェックできなかったのが残念。

しばし「人のおり」で雨宿り。

人がおりの中からクマを見物する趣向。

ここならカラスに狙われずにエサやりができる。

奥の穴にエサを詰め、バーを押すと向こう側のクマに届くしくみ。

階段を上るクマ。この上はヒグマ博物館。


博物館にはクマ関連の展示がいろいろ。

トレチャコフ美術館のシーシキンの絵に似ているが、
ロシア製ではないもよう。

晴れていれば、こんなこともできたのだが…。


お立ち台に座るクマの向こうに太平洋。

見てみたかった!

こちら今年の「神セブン」。

神セブンとは、人気投票上位の女の子クマさんたちのこと。
毎年AKBならぬNKB総選挙なるものが行われているもよう。
各クマさんのプロフィールは公式サイトに詳しい。

おみやげには「ヒトのえさチョコクッキー」。

クマのエサと同じ形状。ステッカーつき。

横殴りの雨と寒さのため、早々に退去してしまったが、
ほかにも見どころはいろいろあるようなので、
機会があればもっとゆっくり見学したいもの。

訪問の際には、ユーモアのセンスたっぷりの
公式サイトに目を通しておくことをおススメ。
園内で配布されている、のぼりべつクマ牧場通信
『飼育員は見たべあ!』も、ほのぼのとしていて楽しめます。

のぼりべつクマ牧場
http://bearpark.jp
登別温泉街からロープウェイで約7分
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松の実とギンナンとキウイ

2017-12-02 | ダーチャごっこ
夜な夜な松の実割り。


今年は早めにチョウセンゴヨウの松ぼっくりを
たくさん拾いすぎて、しばし放置してましたが
重い腰をあげて松カサから実を取り出す作業までは完了。
しかし、ここからが長い!

「松の実のとり出し方」は、こちらをご参照ください。
なぜかこの記事、今も閲覧数が多いので、ちょっと補足すると…。

松ぼっくり解体作業に使う「使い捨て手袋」は、厚手のものをおススメ。
安くて薄いものだと、作業中知らぬまに破れてしまい
気づけば指が松ヤニでベタベタに!
こうなるとなかなか落ちないのです。

一方、ギンナンは一気に処理して天日干し中。


ギンナン処理は10年以上経験があるので、ハナ歌まじりで楽勝。
燃えるゴミの日の朝、丹念にむいた皮をゴミ袋に詰めて即捨て、
むき終わった実は水を張った洗面器に投入。
殻をしごくようにゴリゴリ洗い、何度も水を替えては洗います。
ここでしっかり皮のカスを洗い落しておかないと、あとがクサイ。
ここまでの作業は終始、使い捨て手袋着用のこと。

で、新聞紙の上で完全に乾かします。
乾きが足りないとカビが生える原因になるので、
ギンナン臭がしなくなるくらいまでしっかりと。

さて、こちらは追熟中のキウイ。


本州から友達が段ボール1箱分送ってくれた自家栽培ものなので、
かっちんかっちんに固い状態でやってきました。
昨年は自然熟成させましたが、今年はいろいろお試し中。

よく聞くのは、リンゴを一緒に入れると早く追熟する、というもの。
エチレンガスを発生し、熟成を促してくれるのだそう。
ただしフジはダメで、ジョナゴールド、玉林、津軽はOKだとか。
ご近所で安売りしているのはフジ系ばかりなので、
同じ効果があるというバナナを一緒に入れてみたのが上の写真。

あと、キウイに1個だけ傷をつけておくと追熟しやすい、
との情報もあったので、それも試しておりますが、
今のところ、バナナバージョンも傷バージョンも、
はたまた何もしないバージョンも、劇的な差はないままに
ちょっとずつ柔らかくなってきているような…。
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