モスクワ美術アカデミー・リツェイ提供
『ロシア連邦少年少女絵画展』開催中です。
2010年8月16日~29日 10時~18時(最終日16時半)
NHKふれあいホールギャラリー(原宿駅より徒歩5分)
*入場無料
初日に開かれたオープニングセレモニーに行ってまいりました。
モスクワ美術アカデミー・リツェイは、ソ連人民委員会により
ソ連全土の才能ある子供たちを集めることを目的に1939年創設。
授業は一般科目と美術教育の専門科目の二本立て。
11歳くらいで入学し、7年間の英才教育を受けるのだそう。
こうした教育機関は世界に類を見ないといいます。
リツェイ副校長ヴェーラ・ボロノヴァさんの解説によれば、
年少さんはまず、自分が見たままに小さな静物画を手がけます。
この子供らの作品が、大人顔負けのウマさ。
こ、これが10歳の作品!?と唸ってしまったのがガチョウの絵。
確かすぎるデッサン、生き生きとした描写!
この段階を終えると、「古いロシアをモチーフに描きなさい」
などとテーマを与えられ、今度は自分で考えて作品を描きます。
マースレニッツァやロシア式決闘を題材にしたり、
一般科目で勉強した文学をテーマにしたり、
夏の課題として風景や旅行の印象を描いたり・・・。
こうして水彩画を3年間学びます。
そして年長さんになると油絵に挑戦。肖像画を描きます。
まずは「顔」と「胸」だけ、次は「手」も入れて。
16、17歳になると大人と変わらぬレベルに達します。
そしてこちらが卒業生のコンポジション。
「ロミオとジュリエット」など舞台を題材にした大作を前に
解説するリツェイ副校長のヴェーラさん。
創立70周年を迎えるリツェイは、数々の有名画家を輩出し、
現在は300人の生徒が未来の巨匠を夢見て学んでいます。
パンフレットにも使われている『長靴をはいた猫』の部分。
かろうじて子供らしさが垣間見えたのはこれくらい(笑)。
総じて基本重視の姿勢は、3年前に訪ねた
ヴォロネジ子供美術学校とも共通してます。
完璧なテクを身につけたあと、彼らはいかにして独自性を手に入れ、
いかなる創作活動をしていくのか? それが一番気になりました。
何はともあれ、この絵画展、あまり告知されていないみたいなので
原宿や渋谷にお出かけの際は、ぜひのぞいてみてください。
会場はキンキンに冷えてますので上着をお忘れなく!