瀬戸際の暇人

今年も休みがちな予定(汗)

09年、クリスマスには歌を歌おう♪その1

2009年11月29日 19時23分46秒 | クリスマス
はぁい♪私の名前はミス・メリー♪
約1年振りに貴方に会えて、私とっても感激よ♪
え?何時もの年より会うのが早くないかって?
そーなの!ちょっと聞いてくれる?
私としては今年も12/15~十二夜連続で、このブログを占拠して皆とクリスマスソングを歌う積りだったのよ!
なのに…「諸事情から今年は場所を明け渡す訳にいかない」って、此処のブログの主に断られちゃったの。
1年の内十二夜だけの活躍を邪魔するなんて、なんて野暮な女なのかしら!
メリーとってもご機嫌斜めになっちゃった!

けどいいわ!
他者への寛容こそがキリストの教え、その聖人の生誕を祝うシーズンにプリプリ怒ってちゃ、主の教えに背く事になるものね。
開き直って今年はクリスマスに関る日を狙って、ゲリラ的に登場する積りで居るから楽しみにしていて♪
題して「ミス・メリーの今日は何の日?」、フッフー♪
早速始めさせて貰うわ♪

さて、貴方に質問よ!
今日は一体何の日かしら?
11/26に最も近い日曜日……そう!今日は「待降節第一主日」なの!

主日は日曜だから、毎年変わるわ。
待降節(アドベント)って言うのは、主イエス・キリスト降誕を迎える準備をする期間の事で、第一主日に当たる日曜から、第四主日に当たる日曜まで、4週間続けられるの。
つまりクリスマス(12/25)までの準備期間、さながらカウントダウンね。

教会では各主日に厳かなミサを行い、民間でもこの日からクリスマス飾りをし始めるわ。
特にクリスマスまでのカウントダウンを意識して、アドベント・キャンドル(アドベント・クランツとも呼ばれる)にアドベント・カレンダーが用意されるの。

常緑樹の葉で作った輪飾りの上に、等間隔で4本の蝋燭を立てた物、これが「アドベント・キャンドル」。
日曜日に1本ずつ火を灯して行って、4本全て灯ればクリスマスはもう間近って訳。
ちょっと不謹慎な例えかもしれないけど、百物語の逆バージョンみたいだわね。

「アドベント・カレンダー」は多くが日捲りタイプで、クリスマス・イブを迎えるまで続く暦よ。
捲る毎に絵やおまけが現れる等、子供が楽しんでクリスマスを待てる工夫が施されているわ。

その他にもクリスマス・ツリーやクリスマス・リース…アドベントに入ると街はクリスマス一色に染められる。
けど大昔はもっとずっと前からクリスマスシーズンは到来してたのよ。


「ハロウィーン」と言われるイベントが有るわね。
あれは大昔のケルト人が行ってた収穫感謝祭が元と云われてるの。
大昔のケルト民族は10/31を1年の終りに設定し、その前後の夜には死者が蘇ると考えていたわ。
日本で言うお盆の習慣と同じ、年の節目には此の世の人間と同様に、あの世の人間も浮かれて踊り出すと考えたんでしょうね。

化物達が暴れるには絶好の、冬の夜の闇も起因してるでしょう。
冬が厳しい土地に暮していたケルト人にとっては、収穫の秋を過ぎてしまえば後は雪に閉じ込められるだけ…1年は春~秋までの3季節しか無かったのね。

キリスト教圏では11/1は「万聖節」と呼ばれる諸聖人の日、そして11/2は「万霊節」と呼ばれる死者の日よ。

キリスト教では1年365日全てに聖人の日を定めているけど、多過ぎて全員に振り分けられなかったの。
そこで振り分けられなかった聖人の為に、纏めてミサを行う日が「万聖節」と呼ばれてる訳。

更に聖人以外の、全ての死者の魂に祈りを捧げる日が、「万霊節」。

でも何故11/1、11/2に死者へ祈りを捧げるのか、キリスト教側から見ただけじゃ理解出来ない。
理解するには大元の「ハロウィーン」を知る必要が有る訳。
大昔ケルト人は10/31を1年の終りに定め、11/1からは来る新年に期待を懸け、祈ってた…んじゃないかしら?
キリスト教から見て異教の習慣が、根底に残っての祭日なのね。

現代でも「ハロウィーン」が終われば一足飛びにクリスマスがやって来るけど、案外この傾向は昔の仕来りに合ったものなのよ。
大昔北欧圏のクリスマスは10/31頃から始まった、そして雪融けの季節まで続けてたんでしょうね。
だから今でも北へ行くほどクリスマスは長いし、イベントとしても盛大だわ。
何度も語ってるから耳タコでしょうけど、クリスマスの元祖は冬至祭にあるの。
10/31以降のヨーロッパでの祭日は、殆どクリスマス(冬至祭)に纏わるものばかりよ。


11/11は聖マルタン(マルティヌス)の日。
聖マルタンは西暦317年ハンガリーのサバリアに生れ、北イタリアのパヴィアにて育ったと伝えられてるわ。
父親はローマ皇帝騎兵隊の騎士隊長を務めていて、彼も15歳の頃に皇帝騎兵隊に入隊したんですって。
フランスのアミアンに派遣されて、任務に励んでいた彼は、或る日運命の出会いを体験したの。

18歳の頃、街頭で寒さに凍える浮浪者を見て、哀れを感じた彼は、自分の掛けていたマントを刀で2つに切り、その半分を分け与えた。
実は浮浪者の正体はキリストで、その夜彼の夢の中に現れた聖人は、彼が分け与えたマントを掛けていたの。
これが切っ掛けで334年、彼はキリスト教に入信し、教えに背くからと言って、戦う事を拒否した。
そんな彼を周囲は臆病者と嘲笑し、騎兵隊の隊長は彼を最前線に送り出した。
しかし彼はキリストの教えに従い、武器を投げ捨て、頭上に十字架を掲げ、静かに敵に向い歩いて行った。
すると敵は皆武器を投げ捨て、彼の前にひれ伏した。
その奇跡を目にした隊長は、彼の除隊を認めたと云われてるわ。

361年、聖マルタンはガリア(旧フランス)のリギュヂェにヨーロッパ最古の修道院を設立、370年にはトゥールの司教に任命された。
彼の説いた教えは、後にベネディクト会の会則の手本とされたそうよ。
そういう訳で聖マルタンはフランスの守護聖人として、今でも人気を博しているの。

ドイツでも11/11になると、各地で子供達が堤燈行列を行うわ。
ドイツ語圏ではこの日「マルティン・ガンス(ガチョウ)」と呼ぶガチョウ料理を食べる慣わしが有るけど、これは聖マルタンが敵に追われてガチョウ小屋に隠れた際、ガチョウが鳴いたせいで彼が見付かった件から、聖人の恨みを晴らす目的で食べるようになったと云われているの。
けどちょっと待って…クリスマスにも古くから鳥の丸焼きを食べる慣わしが有るでしょ?
聖マルタンはキリスト教内の聖人だけど、聖マルタンに纏わる事物には、異教からの影響を色濃く感じられるわ。

聖マルタンには動物絡みのエピソードが数多く残されているの。
暴れ牛や暴れ犬を鶴の一声で止めてみせたり、流れの速い川に入ろうとする蛇を助けたり…。
だから彼は牧畜の守護神としても祀られてるわ。
牧畜の守護神と聞いて、思い当たるギリシャの神様が居ない?
そう――牧神パーン。
そもそも騎兵隊に所属してた彼に、動物絡みのエピソードが多いのも、不思議な話よね。
推理するに聖人の祝日が充てられる以前から、異教の神様を祭る日が定められていた。
異教の神を祭る祝日が、聖人を祀る日に摩り替えられても、元在った神話は聖人のエピソードとして残されたんでしょうね。


11/25は聖カタリナ(アレクサンドリアのカタリナ)の日。
カタリナは西暦287年、エジプト、アレクサンドリアの知事、コンストゥスの娘として生れ、敬虔なキリスト教徒にして博識な女性だったと云われてるわ。
或る日ローマ皇帝マクセンティウスの元を訪れた彼女は、キリスト教徒を迫害する彼のやり方を激しく抗議した。
博識なだけでなく美しかった彼女に皇帝は言い寄ったけど、カタリナは「私の夫はキリスト以外には考えられない」と拒否したんですって。
怒った皇帝は彼女を捕え、車輪に手足を釘で打ち付け転がすという、残酷な拷問にかけようとしたの。
ところが彼女が触れた車輪は自然と壊れてしまい、その為彼女は斬首刑に処されたんだけど、遺体は後に天使の手でシナイ山に運ばれたと云われてるわ。

聖カタリナの伝説から、この日は時計や糸紡ぎ車等、車輪の付いた機械を回すのは不謹慎とされ、前夜には止められたの。
けど一方で、太陽神の牽く車の車輪が疲弊する時季に、車を動かして太陽の運行を妨げてはいけないという、大昔の冬至祭の仕来りから来るものだって説が有るわ。

カタリナが実在した人物か、現在は疑問視されてるの。
ただ同じ頃(と言っても370年頃だけど)、キリスト教徒によって異教徒として虐殺された、古代エジプトの著名な女性数学者にして天文学者、新プラトン主義哲学者だったと記録に残されてる、「ヒュパティア」がモデルになったんじゃないかって説が有るわ。
もしもそうなら全く立場が逆になるけれど…記事の主旨から外れるから、これ以上は語らない。
気になる人は調べてみて頂戴。
宗教の暗部を見る事になるから、正直お勧め出来ないけど。


聖カタリナの日を過ぎれば、最初に触れた11/26に最も近い日曜日の、「待降節第一主日」を迎えるという訳。
此処から先はその日を迎える毎に紹介してく積りだから、楽しみにして居てね!


それじゃあ此処で今年1曲目のクリスマスソング♪
イングランドに古くから伝わるクリスマスキャロルで、マザーグースの中にも登場するというわ。
クリスマスの日にやって来た3隻の船が、キリストと聖母マリアを乗せて、ベツレヘムへ向かう様子を歌ったものよ。
詳しくは此処で聴けるわ。(音が出るから注意して!)
「オン・クリスマス・ディ♪ オン・クリスマス・ディ♪」の繰り返しが耳に心地良いわね♪

歌を聴きながら、今夜はこれでお終い。
それじゃあ皆、次回…は何時になるか判らないけど、また楽しく歌いましょうね♪




                    【I Saw Three Ships】



I saw three ships come sailing in♪
On Christmas day♪ on Christmas day♪
I saw three ships come sailing in♪
On Christmas day in the morning♪

And what was in those ships all three♪
On Christmas day♪ on Christmas day♪
And what was in those ships all three♪
On Christmas day in the morning♪

Our Savior Christ and His lady♪
On Christmas day♪ on Christmas day♪
Our Savior Christ and His lady♪
On Christmas day in the morning♪

Pray whither sailed those ships all three♪
On Christmas day♪ on Christmas day♪
Pray whither sailed those ships all three♪
On Christmas day in the morning♪

O they sailed into Bethlehem♪
On Christmas day♪ on Christmas day♪
O they sailed into Bethlehem♪
On Christmas day in the morning♪

And all the bells on earth shall ring♪
On Christmas day♪ on Christmas day♪
And all the bells on earth shall ring♪
On Christmas day in the morning♪

And all the angels in Heav’n shall sing♪
On Christmas day♪ on Christmas day♪
And all the angels in Heav’n shall sing♪
On Christmas day in the morning♪

And all the souls on Earth shall sing♪
On Christmas day♪ on Christmas day♪
And all the souls on Earth shall sing♪
On Christmas day in the morning♪

Then let us all rejoice amain♪
On Christmas day♪ on Christmas day♪
Then let us rejoice amain♪
On Christmas day in the morning♪


【日本語訳】

3隻の船がやって来る
クリスマスの日に クリスマスの日に
3隻の船がやって来る
クリスマスの日の朝に

3隻の船に誰が乗ってる?
クリスマスの日に クリスマスの日に
3隻の船に誰が乗ってる?
クリスマスの日の朝に

イエス・キリストと聖母マリア様
クリスマスの日に クリスマスの日に
イエス・キリストと聖母マリア様
クリスマスの日の朝に

3隻の船は何処に行くのか
クリスマスの日に クリスマスの日に
三隻の船は何処に行くのか
クリスマスの日の朝に

ベツレヘムへ行った
クリスマスの日に クリスマスの日に
ベツレヘムへ行った
クリスマスの日の朝に

地上に鐘が鳴り響く
クリスマスの日に クリスマスの日に
地上に鐘が鳴り響く
クリスマスの日の朝に

天国の御使い歌い出す
クリスマスの日に クリスマスの日に
天国の御使い歌い出す
クリスマスの日の朝に

地上の民が歌い出す
クリスマスの日に クリスマスの日に
地上の民が歌い出す
クリスマスの日の朝に

我らは喜びに溢れて
クリスマスの日に クリスマスの日に
我らは喜びに溢れて
クリスマスの日の朝に




…どうも、この時期が来ると冬至頃の太陽の如く影が薄くなるびょりです。
今年のクリスマス・シーズンは色々と予定が詰まってる為、ミス・メリーさんには散発的に登場頂く事にしました。
ミス・メリーさんに初めて出会った方へ…さぞ呆気に取られた事でしょう。(汗)
まぁ深く考えずにお願い致します。(汗)

兎も角も今年のクリスマス・シーズンもこんなノリで宜しく~。

写真はハウステンボス、ホテルヨーロッパのクリスマス名物、玄関を飾る大きなクリスマスリースで御座います。
以前のクリスマス名物泥棒サンタは、今年ニュースタッドでお仕事中だそうで。
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