AWA@TELL まいにち

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漢字を教える優先順位

2013年01月08日 | 日本語教育
日本語学習者に漢字を教える時、どの字から教えるかというのは難しいところ。

易から難というステップは間違ってはいないと思うものの、読めればいいという学習者と書くことまで必要とする学習者とではやはり異なっているように思います。
音読み、訓読みを単漢字で教えるのも、さすがに少なくなってきているのではないでしょうか。

重要なのは、どんな熟語で使われているか、また、どんな場面で使われるかということ。

と、真面目なことを書きましたが、今日、いい場面を見ました。

あるファーストフード店に入ったのですが、接客の店員さんはみんな外国の方で、インドネシア出身という記載と名前の書かれた名札をつけて仕事をしていらっしゃいました。みたところ今日はインドネシアの方ばかりでした。

カウンターに座っているとおじいさんが一人、隣におかけになったのですが、耳がとても遠い方でした。

店員さんが、
「ライスは、大中小が選べます。」

と言いましたが通じません。

店員さんは、
「ご飯は、大中小、どれにしますか」

と言い換えますが、聞こえていません。

店員さん、次は
「ご飯は、大、中、小、どれですか」

と、さらに言い換え、それでも通じないのでメモを取り出して、ボールペンで


大、中、小



と、漢字で書いておじいさんに見せたのです。

おじいさんは、ああ、と頷いて「小」と答えていらっしゃいましたが、

個人的に、
さっと漢字が書けたその姿に感動しました。

バイトする学生さんには、「大中小」という漢字を早めに教えたほうがいいかなあ。

いい先生に習ってるんだろうな~と。

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