今年のはじめ、神楽坂にデザイン事務所をもつ友人を訪ねた。きけば年内に多摩市に移り住み、仕事を減らしながらブックカフェをつくるとのこと。高齢化にそなえて、彼なりの考えや目算があるのだろう。そういえば、お互いに齢を喰って慌てふためくことのないよう、歳相応の心構えをもちたいものだ、と話し合ったこともあったかな。
どちらかといえば東京の下町生まれの小生、新宿より西側のJR中央線沿線や小田急、京王線の私鉄沿線には縁もゆかりもない。但し、武蔵野の台地、森には、文学的な憧憬はあった。さらに奥多摩は、低山ハイキングの絶好地で、多摩市はその足がかりとしても理想的だと思う。
これまで市街地の多摩方面はとりわけ行くこともなかったが、多摩ニュータウンなどの大規模団地が少子高齢化の影響でだいぶ様変わりしていると、何やらさびしいニュースを何度か耳にしていた。若い人たちが自然あふれる土地に関心が薄いのは何故だろうか。都心寄りの高層マンションが憧れなんて理解できない。未来の負の遺産でしかない、ちょっと言い過ぎたかな。
さてさて。都心からやや遠いイメージはあったものの、最寄りの永山駅は、小田急、京王線ともに利用できて、京王線の特急・橋本行きに乗ったら30分ぐらいで着いたのでびっくりした。周囲は丘陵地帯で緑は多く、駅近くからたくさんの団地が連なっているようだが、四季の変化が楽しめる、なかなかの自然環境に恵まれているといえよう。
後から聞いたところ、ちかくには「多摩よこやまの道」という遊歩道があり、多摩丘陵を尾根づたいに歩ける「日本一長い歩道」とのこと。「新日本歩く道紀行」の100選(※注)にも入っていて、軽快な服装のハイカーやジョガーらが休日には多く見かけ、このエリアの好ましい風物詩の一つらしい。
ブックカフェは、団地の店舗付き2階建て、その1階店舗部分をあてている。なかに入ると、大工仕事の最中というか木材のいい匂いがし、完成まであと一息といった感じだ。基本的に彼が独力で内装や家具.調度類を作ってきたという。6月頃に様子をきいたときは、壁のペンキを塗っていて、店ができるのは秋ごろだという返事だったのだが・・。
本棚やキッチン、トイレはほぼ仕上がっていたが、実際にお店として動きだすのは年末か、年明けか・・。並行して仕事しながらのDIYだから、オープンはいつになるやら彼にも分からない。
例の猫ちゃん2匹もなんか居場所が定まってない風で、人見知りがちょっと進んだようだ。「なつ」という一匹は、最初顔をみせてくれたが、その後どこかに隠れて最後まで顔を見せてくれなかった。もう一匹の「ゆき」ちゃんは、ときおり小生のところに来て、撫でてほしいと寄って来たりした。同行した妻は猫好きにもかかわらずあまり相手にされなかったので、ちょっと嫉妬していた。
▲作りつけの本棚はほぼ完成か。大判の写真集を陳列した棚は見えないが、こだわりの技法あり。お店の名前は『耕星舎』にするとか
▲ゆきちゃん。愛想はないが、つかず離れずの間をとるお利口な猫だ
▲小生を品定めしているのか・・、こんなに見つめられているとは知らなかった
▲駅近くの案内板。お店から駅までゆっくり歩いて20分ぐらい。紅葉しはじめの林道を歩いたのだが、写真は撮れず。残念無念
▲「多摩よこやまの道」で検索したら、こんなん出ました。
(※注):特定非営利活動法人・新日本歩く道紀行推進機構が、歴史と文化の観点から日本を歩く道紀行をテーマに1000の道を選び、さらに厳選した100の道を推奨している。
本棚や机や椅子、落ち着いた雰囲気の空間に惹かれて、実は小寄道様のブログでの」オープンのお知らせを待っていました。
小寄道さんのをじっとみつめているゆきちゃんの目、なんと美しいことか。
なにか話けているようですね。
ゆきちゃんのいるブックカフェ情報を東京の友人たちにこっそり教えてあげるべく、差し支えなければブックカフェの情報をお教えいただければうれしいです。
わたしも猫好きです。
お店はまだオープンできていませんが、少しずつ準備を進めています。昨日、やっとガスを開栓できたので、ガレットを焼いて食べました。カウンターまわりとテラスの内装工事が残っていて、この調子で行くと、開店は秋ごろになりそうです。開店の際はまたお知らせいたしますので、是非お越しください。
まさかのコメント!
ありがとうございます。
帰国の際の楽しみができました。
なつちゃん、ゆきちゃんにも会えるとうれしいです。
わたしもゆきちゃんから品定めの視線受けてみたいです。笑