新型コロナのワクチン接種が、ついに始まろうとしている。まず初めが65歳以上の高齢者が対象で、小生はまさしくそれに含まれる。馬齢を重ねたきたもんだ、と感慨を新たにする。やっと来たかと胸をなでおろすのも束の間、先行する地域の予約では多数が殺到し、いろいろなトラブルが発生している(補記)。
ワクチン接種を待ち望んでいた人が意外にも多く、開始早々から予約に集中したせいであろう。こうなることは予想できたはずなんだが・・。いやいや、そうなるかも知れないと予め想定したシステム・対策を講じるべきだった。
▲予約受付のあらまし、接種会場の案内などを14日からネットに紹介とあったが、明日15日に延長になったとHPには訂正されていた。
ネットでも電話でも、予約を受付ける間口が狭く、想定以上の人々が一挙に押し寄せればパニックになる。それを避けるためには、一挙に押し寄せることができないプログラムを作るのが理想だ。それには効率性と安全性を両立させるような数式を考えなければならない(そこに社会的な平等性を加味すればさらに理想的)。
これは「アルゴリズム」と呼ばれるもので、コンピュータ言語と数式を組み合わせたもの。また、不測の事態を推定して、それに対応する確率を変数として数式に組み込んでおく(この辺の細かい手順やルールは「プロトコル」という)。筆者は素人だから詳細をしらないが、たぶんそんな思考プロセスを経て、「アルゴリズム」はつくられるはずだ。
▲「あなたの券番号」は10桁の数字だ。個人を特定した背番号であることに注目されたし。
さて、当方には、ワクチン接種の内容や受付の方法などの詳細や予約票(2回分の接種券)の入った郵便物が連休前(4月20日頃)に送られてきた。接種予約票には、住所と名前、それに「券番号」がちゃんと印刷してある。
それも予約1回目と2回目の券であり、「診察したが接種できない場合」の2回分の券もあり、それぞれシートから剝がされるようになっていた。すなわち4枚分のチケットがシートに貼りついていて、すべてに個人名と「あなたの券番号」が刷り込まれている。これを発行したのは、台東区であり区長の名前も印刷されていた。つまり。住所と接種会場、本人確認(氏名・番号)がすべて紐づけられている。これを設定したのは、わが台東区だけなのであろうか。
本人と番号を照合できるならば、住所も確認できる。つまり、接種会場の上限をこえる予約をあらかじめリザーブしておかなくても、平等で効率的なワクチン接種のスケジュールを計画できるというものだ。なによりも、予約開始日を指定しなくても、順次、計画的に接種を受けられるようなプログラムはつくれたはずだ(指定当日が都合悪くても、変更は容易)。
また、電話で予約する場合にも同様で、予約開始の初日から電話しなくても、あらかじめスケジュールされた接種日の前に予約電話すればOK。その方が分散化して、無用な混乱は避けられる。電話の窓口が1つでも、コールセンター方式でよくある数字をプッシュして誘導する方法ならば、さらに効率的に予約手続きができるはずだ。
今回の接種がどんな顛末をむかえるか、ある意味愉しみなところがあるといったら不謹慎か・・。ファイザー製のワクチンであることも心強い。1回の接種で抗体のできる確率が高く、変異株にも有効性があるという。アメリカでは1回目を接種して2回目をしない人が多い。それは元トランプ支持派とのことだが、必ずしも1回で有効な抗体ができるとは限らない。2回接種してこそ90%超える有効性のあるワクチンであり、悲しいかな有効期限は6か月だという。
ワクチン接種が進んだイギリスはいま、ほんとに新規感染者が少なくなった。アメリカもトランプからバイデン大統領になって、ワクチン接種の勢いが増し、感染者も死者数も見るからに減ってきている。
トランプ政権のときの初動対応はなんだったのだろう。当初新型コロナなぞ存在しない、風邪だといっていた。コロナだと認めざるを得なくなったら、「中国ウィルス」だと矛先を変えた。
それにしても今、インド変異株は猛威をふるいはじめているが、アメリカ産の変異株は聞いたことがないのはなんとしたものか。
ともあれ、わがワクチン接種がどんな具合にすすめられ、いかなる顛末をむかえるのか。鼻息を荒くして、人生初の体験しようではないか。
(補記)この2,3日のワクチン接種予約の混乱状況を新聞記事にひろった。ネット記事は不参考。
〇神奈川県のある市では開始20分ほどで受付の上限に達し、それを超えるとアクセスが不能になった。
〇大阪のある市では、地元有力者が自治体に圧力をかけて予約を取り付けたとか・・。それをマスコミが嗅ぎつけてすっぱ抜き、大騒ぎになって市長と有力者が陳謝することになった。
〇今日(5月12日)の新聞の読者投稿欄に、80歳を超えた女性の体験が目にとまった。連休明けから予約申し込みがあり、電話をかけたが通じない。その状態が3日間も続いたのだという。で、孫に頼んでパソコンで予約したらすんなり予約ができたとのこと。IT弱者のことを考えて、だれもが平等に予約できる工夫をお願いしたいという内容だった。然りである。
〇今日(5/13 )の夕刊によると、目黒区では予約システムに障害が生じ、予約の受付けや確認サービスが一時的に利用できなくなった。その記事では、復旧したかどうか記されていなかった。目黒区でシステム障害が発生したワクチン接種の予約システムは、米国のIT大手「セールスフォース・ドットコム」の日本法人が手掛けたと新聞にあったが、日本全国を同企業が一律に携わったかどうかわからない。国が自治体に丸投げしたような報道もあったが、システム障害がみられたのは全国でもランダムで発生していて、その原因が解明できるのはだいぶ先のことになるだろう(河野大臣はみずから失敗を認めたが、その詳細をしらない)。
〇5月14日朝刊。横浜市では80歳以上高齢者から受付開始。対象者34万人に対して初回予約枠は7万6千人分。ネット予約では100万件想定したサーバーに200万件のアクセス。全集中? システム一時中断する。電話予約では1万人を受付たが、電話がつながりにくく終始混乱ぎみ。その後、電話回線を増設しコールセンターふくめ420回線で対応するも、状況の良化は認められなかった。
追記:本日(5月15日)ワクチン接種予約の概要が明らかになった。各自治体で内容、運営は異なるだろうが、小生が住む東京都台東区における予約システムを考える。接種会場が7か所あることは知っていたが、開始日、実施日がそれぞれに違うことが分った。マイナス70度以下で管理するファイザー製のワクチンであり、その供給量も限定的なために、地域的な差異があるのはいたし方ないのか。
小生が住む谷中地区にある会場は、接種が6月7日以降からで、また土日だけに限定されていた。地元で接種したいと考える人にとっては不利となる。
小生は、実施日が一番はやく、毎日ワクチン接種が可能な総合病院を選択する予定である。2回目は地元にするか、総合病院にするか思案のしどころで、まだ決めていない。
予約に時間がかかるのは、接種会場と日時の選択および2回目の接種も同様に選ぶかで、かなり手間がかかる。これはある意味で、住民たちに選択する自由というか、裁量権をあたえるという自治体の配慮だといえなくもない。その分、予約を決定する際の手順(プロトコル)は煩雑になり、その分システムに負担がかかる。コントロールセンターのサーバー量の限界を超える要因もこれではないかと考えられる。(大規模接種センターの併設も影響大で、二重予約が発生しているらしい)
まだ、本チャンの予約まで至っていないが、その後の経過も追記としてフォローする予定。(2021・5月15日)