スペイン・ポルトガルの旅ー③
そこに花ばながおかれている。ただそれだけなのに、花ばなのおかれた路地をとおりぬけると、ふっと日々のこころばえを新しくされたようにかんじる・・・・
花ばなをそこにおき、路地をぬけてゆく人びとへの挨拶を、暮らしのなかにおく。
長田弘 (深呼吸の必要 「路地」)
スペインの路地には 洒落ではなくロジックがある
まっすぐな道筋 気持ちのよい坂道のR 肌で感じる論理
ローマ帝国から積み重ねてきた 古くて重厚な 時代の匂い
イスラームやロマ族を包みこんだ 隔てのない市民の優しさ
敷き詰められた石の数々 その色彩のしっとりした光沢
美意識さえもつき抜け 研ぎ澄まされた 心にふれる美学
ロジックに破たんはない 哲学の舗道か いや情念の敷石か
言葉に戯れる バルコニーの花々よ こんにちはの挨拶を
花の少ない季節ゆえに
ああ 貧しくても清潔 聞こえてくる人々の息遣い
人々の落ち着き 生活の確かさ それこそが気品のみなもと
昼の休息と睡眠 シエスタから始まり夜更けまで 豊饒な暮らし
オリーブとワイン とけあう香り 酔客の笑い声 恋人たちの囁き
路地から路地へ おもむくまま通りぬけると そこに広場か公園
春から夏にかけて 色とりどりの花ばな競いあい 客をよびこむ
秋から冬へは ひっそりと力をためて 恵みの雨にありがとうをいう
新しいことは生まれない何もね 今あるものが紡がれる 祈りとともに
▲マドリッドやバルセロナのような都会では、可愛いからといって子供を撮ると、それは犯罪になります。と、ガイドさんは笑いながら私たちに訓告した。いきなり大勢で来るもんだから・・しょうがないでしょ。
路地を彷徨い、カテドラルとかメスキートの尖塔をめざすと、どうしてだか広場にぶつかる。ふりだし?ゲームセット?