「風邪で休まない」を変えよう！＠ 『病気は社会が引き起こす』 木村知

　

　現職の臨床医が書いた本です。発行は２０１９年１２月ですから、「新型コロナ」のことではなく。風邪（＝ウイルス性上気道炎）や、季節性インフルエンザを念頭に書かれています。でも「新型コロナ」にも十分当てはまります。
　
　熱、のどの痛み、鼻汁、咳、痰等の風邪の症状は、侵入したウイルスを排除するための免疫反応、自己防衛反応。発熱で体温を上げウイルスの活動を抑え、鼻づまりでさらなる遺物の侵入を防ぎ、鼻汁とくしゃみで異物を体外へ排除する。それクスリでなくそうとすること自体がナンセンスではないか・・と筆者は問いかけます。
　
　そういう「症状」を必死に抑え込もうとするのは、「風邪くらいで仕事は休めない」という社会風土が原因。インフルエンザなら「会社を休める」から、医療機関を受診して「インフルの検査をしてほしい」となるし、逆に「インフルエンザでなく、ただの風邪なら会社に行けるから」と検査を希望する人もたくさんいる。

　でも、インフルエンザの検査は、「その時にはインフルエンザウイルスは検出されませんでした」という事に過ぎず、「インフルエンザに罹患していない」という証明では決してないと強調しています。
　
　「インフル検査で陰性でも、症状から見てインフルエンザの様であれば、仕事を休むのが流行を抑えることになる」というのは、確かにその通りですね。

　でも、仕事、なかなか休めないなあ～（笑）