金沢に暮らし始めて40数年.。この街で「見たものは、見た」。最近は「軒端に冬の山晴れて見ゆ」って心境に。
金沢暮らしの日々 ~努力は時々 報われる~
街に大学があることの良さ @ 40年ぶりの 「大講義室」 で考えた
今の大学は、どこも「地域貢献事業」に熱心です。大学の教官を講師とした一般市民向けの様々な講座があります。富山大学でも様々な参加形態のいろいろなコースがあり、正直言って「大学のセンセイも大変っすね」とも思うけど、まあこれも国立大学の社会的使命でしょうか?。
で、そのなかの「サテライト講座」というのに行ってきました。富山大学のキャンパス自体は、何度か伺ったことがありますが、教室に入るのは初めてでした。経済学部の201番教室という、大学らしい200人くらいは入れる大教室でしたが、懐かしい雰囲気でしたね。
金沢大学もそうだったけど、お金のない地方大学の、質素ながらも堅実な雰囲気、僕は好きです。この日の講義の内容も、聞いている市民(といってもほぼ年金生活者でしょうけど)自身に考えさせようとする内容で、そこがまたいかにも「教育機関」という感じで好感持てました。
冒頭、「どこの大学も地域貢献に熱心」って書いたけど、実はそれは昔からそうだったのではないでしょうか。四高の教授たちは、自宅で「私塾」を開いていたそうな。そこで、哲学や文学を講じ語り合っていたんではないでしょうか。かの丸山眞男が、戦後すぐに三島市だったかな「市民大学」を主宰して、戦後民主主義を語りあったことは有名な話し。
大学とは建物の名称ではなく、学びたいと熱望する人びとの集団のことではないかな。そして学ぶとは、どのように生きるかを見出すことではないかな。全国で開催されている大学の地域貢献事業が「NHKの趣味どきっ」みたいにならないでほしいなあ。大学は大学にしかできないことをしてほしい。
。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« 夏が来た! ... | 自家製の糠漬... » |
実は私、地方の大学で地域連携の仕事をしながら経営学を教えています。元々の専門はいわゆるマル経だったのですが、マル経は経済学ではなく経済学史(広義の史学)に統合され、いま資本主義と企業社会の倫理的問題はもっぱら経営学の方で議論されています。
そんな中でいま市民の方からリクエストが多いのは渋沢栄一です。企業とは経営者とはどうあるべきか、多様なステークホルダーを無視できない現代のビジネスはどういうものでないといけないか。昨期の講義ではそういうことを考えてもらいました。
ところでこの春、後輩が金沢大に赴任しました。相当な酒飲みでして、よろしくお願いいたします。
今春、斎藤幸平先生の新書『新人世の「資本論」』を読んだのですが、思いがけず、今月、斎藤先生の講演を聴くことができました(Webではありますが)。大変面白かったです。
御後輩の先生が金大赴任されたとのこと。お目にかかる機会があるかどうか??わかりませんが、うれしいニュースをありがとうございます。
暑い日が続きますが、どうぞご自愛くださいませ。