秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ   

2009年12月15日 | Weblog
大きな枯れ葉が、風に流されながら、ゆっくりとゆっくりと、彼方で冬の空間を、泳いでいる。
羽のない、一羽の鳥のように、静かに静かに、舞い上がっている。背景には、セピア色の祖谷の山々。
羽がなくても、飛べるんだ。
身を任せれば、柔らかく飛べるんだ。
キリッとした、冷たい風。ピリッとした空気。ようこそ、冬将軍よ!

いざっ、老犬の散歩の時間。夏に死にかかった事もあり、私の「ゴン」への過保護度は、超スペシャル!
夜中のムダ吠えには、めちゃくちゃ、睡眠不足になり、育児ノイローゼならぬ、老犬パニック症候群!
散歩時間は、一時間余り。
あいつは、わがままになった。
コース変更を勝手にする。
行った事のない、道を率先して進んでいく。
年寄りと、病人と、男前と、死にそうな犬には、めちゃくちゃ気が長い私。
ゴンのリードを引きながら、お付き合い。

今日、初めて歩いた道は、在所の上から、在所の下に繋がっている、幅30センチ程の細い道。
普段は、ほとんど利用されない道。石垣の上の畑の道。落ちれば、2メートル位。道の下の畑の端には
茶の木がある。

人間なら、85才は過ぎている。
白内障、ヘルペス、聴覚の衰え。
しかし、しかし、
食欲は旺盛!
徘徊のように、歩く、歩く、
抱かれる事は、大嫌いで、自力で車に乗り込む。
「ゴン、走るな!」
「阿呆か!走ったら転ぶよ(私が)」
親の言う事を、無視して、ゴンはダッシュする。


一瞬、ゴンが視界から消えた。
「ヘッ?」
物事を把握するのに、Ⅰ、2秒かかった私。

茶の木の間から、
ゴンの「顔 」だけが飛び出していた。
確実に、落ちていた。
「ゴーン、右手出して~」
「ゴーン、足、枝に掛けて」

などと、言っても、通じる筈がないので、
言わずに、ゴンの救出にあたりました。

48年、生きてきて、
様々な形で、人や犬を救出してきましたが、犬の頭を、茶の木から救ったのは、初めての体験でした。
ゴンは、怖かったのか、錯乱していたのか、なぜか、平坦な道を高ーくジャンプしました。

茶の木に、落ちた老犬は、ヒラヒラとは、飛べませんでした。
身を任せれば、ずんずん、下に沈んでいきました。

自然は優しい。
犬は 葉っぱよりも重い。

そろそろ、白いものが、舞い降りて来る季節。冷え込んでます。
色のない、白黒の世界。
コンクリートと、人間に疲れたら、深呼吸しに来ませんか!
問わず語りの自然が、365日。
あなたを待っています。
(グゥワン)


菜菜子さん 携帯写真






コメント (2)
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