秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

秋彼岸に寄せて    SA-NE

2010年09月20日 | Weblog
一ヶ月程前に、不思議な夢を見た。
去年の、秋彼岸に寄せてで、私のエッセイに登場した徳島市内で亡くなった
私の叔父さん。正確に言うと、私の母の弟だ。
叔父さんの、夢は今まで見た記憶がない。

その叔父さんが、私に向かって、何かしらを話しかけていた。
朝、目が醒めた時、話しの内容を思いだそうとしたが、思いだせなくて
慌ただしいままに、その日の仕事に出掛けた。
仕事をしながらも、叔父さんの夢が気になり、昼の休憩に入った。
そして何気なく、思い浮かび、電話をかけた。電話の相手は、住職さん。
そして、過去帳を調べて頂いて、わかった事があった。

叔父さんの、十七回忌を今年中に営まなければ、為らないとの事。
叔父さんの姓は、母方と同じで、私とは違う。
本家を継ぐ、従姉妹にその事を伝えると、88才を迎える叔母さんは当然だけど
従姉妹も叔父さんの法要の事は、全く気にかけてもいなかったとの事。
私も、全く気にかけてもいなかった。


この世の存在も、不思議だけれど、
天界からの、叔父さんのメッセージも、なんて素敵なんだろう。
そんな話、信じないなんて笑う人もいるだろう…
だけど、私は過去に何度も、様々な方々の天界からのメッセージを
夢に見てきた。
そして、折に触れ、家族の方々に伝えてきた。

今日、叔父さんの十七回忌を営む事が出来た
あの世を、信じないと言う方々に、聞いて欲しい事がある。
あの世を信じないのなら、お地蔵様を、足蹴りできますか?
お墓に、唾を吐きかけられますか?
何の迷いもなく、できますか……。

娘達は、家に帰省すると、必ずまっすぐに主人の仏壇の前に座り
「ただいま」を言いながら、手を合わす。
そして、私と三人で主人のお墓に向かう。
再び、お墓の前で手を合わせながら、娘達が小さく笑いながら、言った。
「ヤヤコシイなあ~父ちゃんはどっちにおるん~?」

お位牌を守り続ける、本家が空き家になって、お仏壇に手を合わすられなくなっても
お墓にいけば、手を合わせられる。
日本の宗教は、どちらかと言えば、この世側の都合の良いように、出来ている気がする。
墓を集める行為も、その一つだ。

私は主人のお墓を建てるのに、代々墓にした。私が亡くなった時、娘達がお墓で、苦労をしないように。
そして、何よりも、主人と一緒に、永い安息の世界にいられると想えば
それだけで、安心を買えたような気がするから。

もし、主人の同一姓の仏様を無理矢理、私の死後に納骨されたら?
考えただけで、呪いたくなる位、悔しい。
多分、納骨した者を、私は、呪うだろう。
主人の親戚には、平気な顔をして、それをやりそうな人が、数人いる。
絶縁したい方々が、いる。

主人亡き後、主人の叔父さん達が、西山集落にある、私達が建てた別荘に
サッシを外し侵入し、ガス管を取り付けていた。歯ブラシまで、用意して
私に無断で、別荘を使用している。


茅刈りの季節に、なった。重伝建の茅刈りの一つの場所に、別荘の周りの茅が、刈られる。
その礼金は、家を出ても長男の権利を持つ、主人の父親に入る。
刈った茅を、乗せたトラックは、私達が、つけた道を、利用している。


主人がいた頃、私が刈り続けていた茅。
母の介護の合間に、二人で建てた、別荘。


あの時間は、今の私には、何の意味もなく、娘達に何一つ、渡してあげられない
母親として、情けなくて、消えてしまいたい程の、喪失感に時折、襲われる。

人間は、皆、自分の物差しで正義を、主張する。
右から、左から、
真実の形は、曖昧だ。裏表のないのは、流れ去る風と、流れる水と炎だけなんだ。

秋彼岸に寄せて。
叔父さん、無縁仏にはなりたくないと、言った叔父さん。
あなたは、幸福だよ。無縁仏には、させてないからね。

もし、あの世から、今日の法要のお礼を、プレゼントしてくれるなら、
お願いがあります。

私と主人の宝物の、
娘達が、健康でいられますように。
一生懸命、空から応援してよ。
娘達も今日、帰省しましたよ。
叔父さんに、手を合わせる為に。
合わせた手の平は、娘達に向き、お辞儀を終われば、その手の平は
天にまっすぐに、向かっています。

蒼天の秋の空に 向かっています

合掌















コメント
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