秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ〈親父と昭和とベニア板⑥〉

2011年12月11日 | Weblog
こんな、シンシンと寒い冬の夜には、父は必ず、寝る前に、ワタシにポンポンとしてくれた。
腹を出して、ポンポンではないよ!
あしからずっ!

ワタシの布団の中に、すき間風が入らないように、足の先から肩口まで、布団の上から、ポンポンッと叩いてくれた。
ポンポンッと叩いて貰ったら、それだけで、暖かくなった気がした。
母は、そういったスキンシップは、全くしてくれた事がなかった。
母は、何かを口にする事は余りなく、父はいつも口にして、言葉にして、身体中でいっぱい、伝えてくれた。

底には板を敷いた、鉄釜の丸いお風呂。
父と一緒に、入る相手はわたし。年中オカッパ頭。前髪眉毛の上で、パッツン女の子。

両手を合わせて、組み、水鉄砲を教えて貰った…と言うより…水鉄砲をやらされた。
父はわたしの顔を目掛けて、わたしは父の顔を目掛けて、かけあった。
やっぱり、ここでも登場するのは、ガラガラ声の親子のデュエット~!

『赤い靴~はいてた~女の子~いじんさんに連れられて~行っちゃった~よこはまの~
波止場から~船にのって~いじんさんに連れられて~行っちゃった~』

なぜか、1番と2番をひたすら繰り返す親子……
意味がわからないまま?
歌い続ける…小学低学年…オカッパ頭。

ある日…
オカッパ頭は、父ちゃんに聞いてみた

『父ちゃん…?いじんさんって 誰…?』

『なんで…?女の子は連れていかれたん?』
……
……

オッサンは…
早い話…
内容を把握しないまま…
歌っていたみたいだった…

いじんさんは がいじんさんだと言った。

なぜ 連れていかれたのか?
なぜか、教えてくれなかった…が

水鉄砲だけは
エンドレスに続いた…
オッサンは
テキトーだった…

お金をかけなくても
贅沢を教えなくても
愛情は
身体に染み付いている。
父は 不器用だったけど、
わたしに対する愛情は、いつも、いつも、
まっすぐだった。

きっと それは
男女間の恋愛事情にも
共通する 記憶ではないだろうか…

女性は特に
好きな男性から、高価なプレゼントを貰った記憶より…
その人と過ごした、何気ない時間とか、
何気ない言葉を、ずっと胸の中にしまって、何回も何回も、ココロのカイロで温めて、
ココロを満タンに出来るんだ。

男は どうなんだろう?
男は高価なプレゼントを、貰った記憶のほうが、支配するのだろうか?
だから…
女にころっと、騙されるのかも?

愛情は
ストレートが1番。
ストレートは
ココロのど真ん中に、届くからね。

そろそろ、連載終わります。

あと一回で、終わります。

皆既月食 神秘でした。
匂いのない空気。
キリリーンと外気。
真っ暗な空。

無口な月は 何かを 囁いているように、感じました。
うし女達に メールしました。

『皆既月食キレイよ~空みてみな~』

すぐに…電話が かかりました。

『母ちゃん…皆既月食って…何…意味わからん…』

やっぱり…
あいつらの 頭の中は…
食べる事と 寝る事だけ…?

皆既月食ってメールで 伝えないで、言葉で伝えていたら、 やつらは…
『怪奇月色』
って 想像したんだろうなあ~?
間違いないっ!

父ちゃん…
孫は… こんなんです。
主人の誕生日に
神秘な皆既月食!
生きていれば 主人は55才。
父ちゃんの死んだ年も、55才。
めちゃくちゃこぎつけな 話しの〆~!

『全国の55才~頑張れ~~~生きとけよ~~』

最終回に続く




























コメント
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