秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷夏点描 暮らしの初夏

2012年05月16日 | Weblog
道はるかみ山の茨わけ入りて花のあわれを訪ふて歩むか

山さとでうき世に別れ告ぐ老を訊くは侘びしき若葉の頃に

山のべの庵に住みける老ひとり過ぐる月日のあわれを思ふ

思へただ高き山べに老ひとり若葉の盛りに山のあわれを

山のべの道は茨に阻まれて分けて歩みし老のこどくを



無愛想に上着手に持ち薄暑かな

山頂に立ちて予期せぬ夏霞み

庵のまど迫る若葉に気おくれす

葉は疎らうき世の別れ山さくら

古茶淹るる老女の皺に母を見し



初夏の萌えるような若葉の生命あふれる風景のなかに

この地で自然と一体化してひっそりと一生物となって

80,90年と生きて生涯を終えるお年寄りに接するに

つけても、限りなく深い皺のお顔は素晴らしく美しい

花鳥風月の美しさを越える老の美しさをうき世の自然の

風景として捉えて拙い詩歌としたいものである





















































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