道はるかみ山の茨わけ入りて花のあわれを訪ふて歩むか
山さとでうき世に別れ告ぐ老を訊くは侘びしき若葉の頃に
山のべの庵に住みける老ひとり過ぐる月日のあわれを思ふ
思へただ高き山べに老ひとり若葉の盛りに山のあわれを
山のべの道は茨に阻まれて分けて歩みし老のこどくを
無愛想に上着手に持ち薄暑かな
山頂に立ちて予期せぬ夏霞み
庵のまど迫る若葉に気おくれす
葉は疎らうき世の別れ山さくら
古茶淹るる老女の皺に母を見し
初夏の萌えるような若葉の生命あふれる風景のなかに
この地で自然と一体化してひっそりと一生物となって
80,90年と生きて生涯を終えるお年寄りに接するに
つけても、限りなく深い皺のお顔は素晴らしく美しい
花鳥風月の美しさを越える老の美しさをうき世の自然の
風景として捉えて拙い詩歌としたいものである
山さとでうき世に別れ告ぐ老を訊くは侘びしき若葉の頃に
山のべの庵に住みける老ひとり過ぐる月日のあわれを思ふ
思へただ高き山べに老ひとり若葉の盛りに山のあわれを
山のべの道は茨に阻まれて分けて歩みし老のこどくを
無愛想に上着手に持ち薄暑かな
山頂に立ちて予期せぬ夏霞み
庵のまど迫る若葉に気おくれす
葉は疎らうき世の別れ山さくら
古茶淹るる老女の皺に母を見し
初夏の萌えるような若葉の生命あふれる風景のなかに
この地で自然と一体化してひっそりと一生物となって
80,90年と生きて生涯を終えるお年寄りに接するに
つけても、限りなく深い皺のお顔は素晴らしく美しい
花鳥風月の美しさを越える老の美しさをうき世の自然の
風景として捉えて拙い詩歌としたいものである