■仕事の打ち合わせの後、司法書士のK先生と食事に出た。車で来たので飲めなかったが食事しながらの四方山話。面倒見のよい熱血漢で今では業界で押しも押されもしない重鎮だが若いときの苦労話は聞いたことがなかった。
2人の息子さんのうち、長男は法律家として自立したが弟の方が宙ぶらりんなのが心配らしい。情報工学を専攻したのに中退して今も働いていないようだ。そこでお前は司法書士になって俺の後を継げ!と言っていたが本人は最近そういう気になってきたようだとのこと。
K先生は親父さんとの軋轢から家を飛び出し無一文でスタートした。大阪の不動産屋でセールスをしていて司法書士の存在を知ったという。当時は試験も易しかったようで参考書を買う前に合格したそうだ。お母さんが癌の宣告を受けて故郷の大野に戻ったが、そのお母さんのために結婚し家を建て子供を作って家族のため働かざるを得ない状態になって司法試験の勉強からも遠ざからざるを得なくなったそうだ。
既存の同業者に占有されているマーケットには、大阪から戻った外者にとって入り込む余地はなかった。福井に進出しても司法書士としての登記の仕事はなかったのでなんでもやると言って、同業者のいやがる訴訟関連をひろって回ったという。いつもカバンにカーボン紙を入れて各地の裁判所をうろついては客を見つけ、その場で書面を作って歩いたそうだ。非弁ぎりぎりのこともしたし、弁護士からたたかれたこともあったそうだ。
気がつくと周りの仲間はみな弁護士になって、自分ひとり司法書士で、、、。
先生には次男が何を考えているのかわからんという苛立ちがある。先生は結局自分の意志というより生活のため家族のためという状況の中で道を開いてきた。人生を切り開くというのは結局そういうことだろうと思う。自分は何をやりたいのか?何を考えているのか?、、そういうことは本来どうでもいいことで、考えてみてもいつまでもよくわからんことだろうと思う。僕だっていまだにこれから何をしようかということに迷っている。
最近若いもんは何を考えているのかわからんということはいつの世代も同じ、、というより、それは無意味な愚問かな。わからんからいろいろ考えているというのが人生だ。経験も無いくせに明確な考えを持っている若者って不気味、というより何かおかしい。可能性を感じられない。北朝鮮の若者みたい、って言いたいとこだが彼らだってそれは同じだろう。先生は息子さんがただ心配なだけだ。
先生も苦手なPCもこれからやらざるを得ないだろうと覚悟をしたようだ。そうです、好きだからやるのではなくやらざるを得ないからやる、ってのが本当なんだ。
そこで、当分の間ほったらかしにしてきた先生のPCを持ち出してきた。
電源を入れてみた。「豚に真珠」と言ってみると先生がニヤリと笑った。
2人の息子さんのうち、長男は法律家として自立したが弟の方が宙ぶらりんなのが心配らしい。情報工学を専攻したのに中退して今も働いていないようだ。そこでお前は司法書士になって俺の後を継げ!と言っていたが本人は最近そういう気になってきたようだとのこと。
K先生は親父さんとの軋轢から家を飛び出し無一文でスタートした。大阪の不動産屋でセールスをしていて司法書士の存在を知ったという。当時は試験も易しかったようで参考書を買う前に合格したそうだ。お母さんが癌の宣告を受けて故郷の大野に戻ったが、そのお母さんのために結婚し家を建て子供を作って家族のため働かざるを得ない状態になって司法試験の勉強からも遠ざからざるを得なくなったそうだ。
既存の同業者に占有されているマーケットには、大阪から戻った外者にとって入り込む余地はなかった。福井に進出しても司法書士としての登記の仕事はなかったのでなんでもやると言って、同業者のいやがる訴訟関連をひろって回ったという。いつもカバンにカーボン紙を入れて各地の裁判所をうろついては客を見つけ、その場で書面を作って歩いたそうだ。非弁ぎりぎりのこともしたし、弁護士からたたかれたこともあったそうだ。
気がつくと周りの仲間はみな弁護士になって、自分ひとり司法書士で、、、。
先生には次男が何を考えているのかわからんという苛立ちがある。先生は結局自分の意志というより生活のため家族のためという状況の中で道を開いてきた。人生を切り開くというのは結局そういうことだろうと思う。自分は何をやりたいのか?何を考えているのか?、、そういうことは本来どうでもいいことで、考えてみてもいつまでもよくわからんことだろうと思う。僕だっていまだにこれから何をしようかということに迷っている。
最近若いもんは何を考えているのかわからんということはいつの世代も同じ、、というより、それは無意味な愚問かな。わからんからいろいろ考えているというのが人生だ。経験も無いくせに明確な考えを持っている若者って不気味、というより何かおかしい。可能性を感じられない。北朝鮮の若者みたい、って言いたいとこだが彼らだってそれは同じだろう。先生は息子さんがただ心配なだけだ。
先生も苦手なPCもこれからやらざるを得ないだろうと覚悟をしたようだ。そうです、好きだからやるのではなくやらざるを得ないからやる、ってのが本当なんだ。
そこで、当分の間ほったらかしにしてきた先生のPCを持ち出してきた。
電源を入れてみた。「豚に真珠」と言ってみると先生がニヤリと笑った。