ホウジョウキ  ++ 小さな引籠り部屋から ~ ゆく川の流れは絶えないね

考えつつ振り返り、走りながらうずくまる日々。刻々と変わる自分と今の時代と大好きなこの国

観音崎と横須賀美術館

2007-11-03 17:09:23 | art
観音崎まで、品川から京浜急行で1時間弱。
またバスに乗り継いで、観音崎海岸へ。

潮の香り、波の音、海の手触りが、心の澱を洗ってくれました。

台風が去った後の高気圧で、夏のような日差し。
大きな自然を前にした爽快感を味わいました。

横須賀美術館
青い海と空と、山を背に硝子と白の建物
どなたの設計なのでしょう?とても素敵。



展示は「澁澤龍彦 幻想美術館」
ここで澁澤龍彦に出会うとは、不意をつかれました。
事前に企画を調べずに行っちゃいました。



澁澤の足跡を、たどる展示です。
没後20年の記念企画。巌谷國士氏が監修しています。

戦時中から終戦時に10代を過ごしたことが、
そのマニエリズムからシュルレアリズムへの志向
に影響したのだろうなあ、と感じさせる幼少期からの時系列の展示。

澁澤の思考の変遷がよくわかりました。

まず入口はサド侯爵の翻訳、裁判の記録から。その時代には、かなり衝撃的だったのでしょうね。
サド侯爵の直筆の手紙(澁澤所蔵のもの)があり、魅入っちゃいました。
私が10代の頃衝撃を受けて、美術に入り込むきっかけとなった
ルドンや、デューラー、ゴヤ、マックス クリンガー、マックス エルンストの版画が並び
こういう美術が入口だったから、私は澁澤の世界にも違和感なく
入り込めるのだな、と改めて実感。

澁澤の交遊に
中西夏之や、加山又造、横尾忠則を発見して、才能はこうやってコミュネケーとするのかと驚きました。

かなりのボリュームで、澁澤の生涯、昭和の時代の裏道
を駆け抜けた気分に。

併設のレストランのテラス席でランチ。
潮風が心地よくて、気分良くキールなんぞを飲んじゃいました。

館内の表示(ピクトグラム)が愛らしいくてクスリ。