多くの人に読んでほしいと、お友達から渡されました。↓
著者(松吉千津子)が祖母(明治19年生)を偲んで書き留めたもの。
祖母は昭和37年、77歳で亡くなりました。
祖母の家の二階を軍隊に貸すことから始まります。
それは海軍震天隊巌部隊でした。
明治生まれの強い女性の言動が随所に出てきます。
当時は軍隊に刃向うなど考えられなかった。
或る日、怒号が聞こえ、庭に整列した兵隊を中隊長が殴っていた。
祖母は軍隊言うところはよく殴るなと思ってはいたが、この日は違った。
「こりゃあいかん、止めにゃ」と中隊長の前に飛び出し
「こんなむごいことここでびっしりするんなら、出ていってもらいたい」
中隊長は殴ること止めて「解散」と言って行ってしまった。
戦後皆で集まったとき「なぜあの家を出たか」と話題になった。
元中隊長しみじみ言ったそうです。
「俺はあのおばぁさんが一番怖かった。君たちをあの家から
よそへ移したのはあんな人間的な人の家にいては
君たちの精神がにぶり、いよいよ最後というときひるみはせんかと
それを心配した・・・」
特攻隊批判に関しても当時を知る私など及びもつかないこと。
強い人です、物事の真実を見る目もあり、孫娘の松吉さんが
祖母の生き方を知ってほしいと思う気持ちはよくわかります。
この中隊長も好んで行動したわけではなく、時代がそうさせたとおもいます。
軍隊も、特攻隊も歴史の彼方に消え去ろうとしています。
これらを知り、語りあえるのも私世代が最後でしょう。