今ごろ千利休にはまるのも何なんですが、
きっかけはNHK大河ドラマ『江』に出てくる石坂浩二演じる利休。
ドラマの内容自体は???な展開も多くて、ほとんど‘ながら見’ですが、
キャスティングはなかなか面白いなあと思います。
中でも石坂浩二の利休は、知的で、冷静で、色男で、したたかな感じがして興味を惹かれました。
(特に石坂浩二のファンではないんですけどね。)
以前、茶の湯のお道具やしつらえを少し勉強しようと思って買ってあった
「ペンブックス 茶の湯デザイン 」(pen BOOKS)
と
「ペンブックス 千利休の功罪」(Pen BOOKS)
を引っ張り出してきて読んだのを皮切りに、
利休関連のエッセイ、小説、漫画本を何冊か読破しました。
中でも面白かったのは、
「利休にたずねよ」(PHP文芸文庫)
山本兼一著。
後世の者たちが作り上げた利休像を更にふくらませた感じですが、
サスペンスタッチの読み物としてかなり楽しめました。
この小説の中に出てくるお道具を「ペンブックス 茶の湯デザイン」の写真と照らし合わせてみると
より一層利休の時代の茶の湯が頭の中に描かれやすくなります。
それにしても20代で茶道を習っていた時には
千利休について何も知らなかった自分に恥じ入ります。
割り稽古に勤しみながら、それがどう集大成していくのか、
その目的は何なのか、考えたこともありませんでした。
木を見て森を見ず、でしょうか。
その反対に、木もちゃんと見ていなかったと思います。
お道具一つ一つの味わいや役割や意味も理解していませんでした。
今、お師匠さんの黒楽茶碗を手にしたら、もう少し違う鑑賞の仕方ができるかもしれません。
千利休も今に伝わる千家の茶の湯の世界を完成させたのは60代になってから。
年をとるのも悪いことばかりではないような気がしています。