がんの「もと」から根絶
がんが厄介なのは再発する危険があること。抗がん剤治療で消えたように見えても、がん細胞のもとになる「がん幹細胞」がわずかに残っているとがんは再発、転移する可能性がある。
この幹細胞だけを攻撃して取り除けば良いのだが、健康な細胞との区別がつけづらく難題である。九州大などの研究チームは、抗がん剤が効きにくいがん幹細胞を標的にした治療法を開発、マウスで効果を実証した。論文は18日付の米科学誌キャンサー・セル電子版に掲載される。
増殖が速いがん細胞は、常に細胞分裂を行っているため、抗がん剤や放射線治療はこの分裂中の細胞を標的にしている。一方、がん幹細胞は増殖が遅く、ほとんどが増殖しない「静止期」にとどまっているため、抗がん剤などは効きにくく、再発のもとになっていた。
九大生体防御医学研究所の中山敬一教授らの研究チームは、細胞を静止期にとどまらせる遺伝子「Fbxw7」に着目。血液のがんである白血病を発症させたマウスの同遺伝子が働かないように操作したところ、静止期にとどまるがん幹細胞が急減。このマウスに抗がん剤を投与すると、無治療のマウスや、抗がん剤のみを投与したマウスに比べ、生存率が大幅に向上した。
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参考HP Wikipedia:がん幹細胞 科学技術振興機構:がん幹細胞の撲滅による新しいがん治療法の開発
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実験医学 増刊 29ー20―ステムネス,ニッチ,標的治療への理解 がん幹細胞 |
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実験医学 2013年1月号 Vol.31 No.1 がんのheterogeneity―その解明と攻略への次なる一手~微小環境,がん幹細胞,ゲノム変異の統合的理解からがんの“不均一性 |
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