ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

世界選手権男子シングルSP終了

2007-03-21 23:51:49 | 日記
大ちゃん3位発進。F1で言えば2列目からのスタート。
ポジションとしては面白い位置に付けたと思うんですが。
内容的には、傍目に見ても、あー、気負ってるなーという感じの演技でした。決して悪くはないんだけど、本当ならもっともっと出来るはず!という感じの。ある意味トリノより盛り上がってるし期待されてもいる状況でしたから気負うのも無理ないかなとは思います。これまで、SPでは常に良い演技ができていただけに、本人に取ってはさぞかし不本意だったんではないかと思いますが。

見る側としては、それでも絶対に食らいついて行こうっていう意地みたいなものを感じて燃えました。
ていうかこの状況、燃えるんですけどね。首の皮一枚で繋がった状態。上との差は開いてるけど下からは迫って来ているという微妙な立ち位置。諦めて開き直ることもできないし、さりとて楽観もできないし。
絶対ファンに楽をさせてくれない人なのねキミは(笑)。いいですよもうとことん御供しますよ(って私桃太郎の犬みたい)。

勝ちを狙って勝ちに行く、勝ちを期待された中で勝ちに行く、というのが如何に難しいことかを改めて感じずにはいられません。でもだからこそ、敢えてこの難しい状況を戦って欲しい。
この状況を与えられたのも、天が与えてくれた強くなるための試練だと思いますので。

ていうか、先週のゲキレンジャーが「不安を解消するには修行するしかない、苦労したことが自分に自信を与えてくれる」っていう話で、妙に大ちゃんとのシンクロニティを感じたんですけどね。
この1年、誰よりも強い決意を持って頑張って来た、その自分の苦労を信じて戦ってくださいな。

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流れが変わることを祈って、魔除追加。


目玉と

蹄鉄

実はそんなに心配してなかったりもするんですけどね。

世界選手権はじまりましたね。

2007-03-21 01:07:32 | 日記
シーズン始まる前の感覚だと、一番怖い試合が全日本。その全日本をがんばった結果の世界選手権はお祭りだー!という感じだったんですが。
いざその世界選手権を目の前にするとやっぱり怖いです。
怖いのは、期待してるからなんですよね。期待が大きい程、裏切られた時の落胆も大きい。それでも期待せずにはいられない。
期待していたけれど、期待以上の結果を出して、本人も意欲十分で乗り込む世界選手権。ああだけど、あの人もこの人も絶好調で一体どうなってしまうんでしょう、みたいな。

それでひとつ思い出したことがあります。
最近大ちゃん、男前度が妙に上がってないですか?特にアメリカでの練習から帰って来てからこっちは、しゃべってても何やってても前よりかっこよくなってるように見える。
トリノの頃、まだ純粋に「アスリート」として大ちゃんを見ていた時に、「まだ顔や雰囲気に甘い所があるな」と感じてました。だからこそ、それがどう変化して行くのかが楽しみだとも思ってたんですが……。
もしかして、あの頃感じていたあの『甘さ』が消えたってことなんでしょうか。大人の男の顔になって来てるってことなのか。
そう言えば、あの頃はちょっと背伸びしてる感じもあった顎髭も、今ではなんだか板に付きつつあるような(でもSPの衣装には似合わないと思いますけど。剃るのかな。そこはちょっと楽しみにしておこう)。
この1年で、彼ほど激しく「変化」と「成長」を見せた選手もいないだろうと思います。その成長の証しをここで見られたらいいなと思ってます。

以下、ショートプログラムに関する自分用の覚え書きです。

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チャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲 二長調』

【1】曲についてのメモ
作曲者のチャイコフスキーさん曰く、この曲に特に曲想はないらしい。敢えていうなら、離婚直後に書かれた曲ということで、その辺の苦しい結婚生活とそこからの解放といった精神状態が曲に反映されていると言えなくもない。メロディメーカーなチャイコフスキーさんらしく、民族的で美しい旋律が特徴。
今ではメンデルスゾーンの曲と並んで2大ヴァイオリン協奏曲と言われる程有名な曲ですが(ちなみにメンデルスゾーンの方は安藤さんがフリーで使用)、出来た当初は難し過ぎて演奏者に拒否られるなど色々苦労も多かったみたいです。
「のだめカンタービレ」では千秋が(多分)コンクールで指揮する曲として登場。のだめ曰く「くねくねの華やかな曲」。

【2】衣装
紺色ベースに白っぽいヒラヒラ付き。ヒラヒラが衣装から生えているのではなくて、羽衣を纏うような形になっているのが特徴的。
怪しい海洋生物のようにも見えますが、素直に作った人の意図を考えるに、これはきっと「風」をイメージしてるんではないかなと思います。

【3】ジャンプ構成
今までの実例だと
3F+3T 3A 3Lz ……らしいです。

【4】みどころ
大ちゃんの最近の3Aはとても美しいらしい。私にはジャンプの質はよく分かりませんけども。
華やかなサーキュラーステップ、加速するストレートラインステップは優雅であると同時に躍動的。
でも個人的にこのプログラムは、なにげない腕や指先の動きの繊細な表現が楽しめるのが何より良いと思います。そして笑顔。長調の曲には明るい表情がよく似合う。

【5】妄想
私の中ではこのプログラムは、「ノクターン」(シークレットガーデン)と対になっています。
完全にEX用に作られた大ちゃん自作のノクターンと、あくまで競技用に作られたモロゾフさん謹製のこのプログラムは全く性格が異なるものではあるんですが、でも何故か雰囲気を見ると、「ノクターン」からの流れを感じるんですよね。
ノクターンが春の夜の風なら、この曲は昼間の風。まだ肌寒い早春のそよ風から始まって、爛漫と花咲く季節の花嵐、そして青嵐のつむじ風。スケートのスピード感と優雅な表現が合わさって、風を纏って駆け抜けているような錯覚に陥ります。まるで風の妖精を見ているような、とか自分でも夢見過ぎだと思いますが。

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生観戦に行かれる方は、是非気を付けて楽しんで来て下さい。
そして是非拍手と声援を。ノリノリでステップ踏んで貰いませう。