masumiノート

何を書こうかな?
何でも書こう!

地域密着運営の基本は損得ではない

2012年06月21日 | ガソリンスタンド

※昨日のかっちんさんのコメントにも通じることですね。

『地域で社会インフラとしてのスタンドを営んでいる』、という自覚のある経営者は、
例えPBが仕切り面で優位であると分かっていても、系列であることを選択します。
(高い仕切りが原因で、身銭を切りながらの商売になったとしても!)

そして災害などで系列ルートからの供給がストップしてしまうような有事の際には、
地域への供給が止まってしまうことのないように、人脈やツテを頼って、どんなに高額な“業転?”玉でも仕入れます。
(そういう有事の際は“業転?”玉は高額になるけど、アルる所にはアルものなのです!)


オイルショックのときも、阪神淡路大震災のときも、こうちゃんはそうしてきた。


オイルショックの時には、得意先(製造業)から「どんなに高くても良いから油を届けてくれ!」と懇願されたそうです。
「仕入れが高い分(だけ)、高く売った」と言ってました。

『どんなことをしても油だけは切らしたらアカン』、という気概でやっているのが、地場のスタンドだと言っています。

PBを選択した方の中には「玉がなくなるときは他所も一緒、客もその時は玉のアル系列へ行くだろう」、なんて無責任なことをおっしゃっていた方もあります。

確かにそれが現実かも知れません。
だとしても、元来地場のスタンドというのは「そんな考え方は出来ないものではないのかな」、と、
私はこうちゃんを見ていて思うのです。

昔、私が業転買いを勧めたとき、こうちゃんはこう言いました。

「例え系列であっても、“世界情勢による”有事の際には恐らく“前年比”という形で数量を制限される。
だから、うちの店を利用してくれる客の為にも、系列100%で仕入れをしていく必要があるんや」

PBや他店を利用していた消費者がそういう有事の時だけ給油に来られるとしたら、迷惑以外の何ものでもないのです。
そのせいで、常連のお客さんに迷惑を掛けてしまうことにもなりますから。

※311で、(普段は契約している広域業者の安値で入れている)緊急車両への給油を優先させるために、固定客の給油を制限した販売店のことを思うと、
悔しくて、気の毒で堪りません。


系列でありながら業転玉を仕入れることを推奨される方の理屈は、
(系列100%仕入れに拘って)「店が潰れてしまっては元も子もない」(=それこそ、地域の消費者に迷惑を掛ける)というものですが・・・・

 

系列100%に拘って敗退していくとしても、そのアトに残った浮気組みやPBは安泰では居られないと思いますよ。

元売が、その気になりさえすれば“浮気買い”を理由にマーク剥奪することは容易いことですし、それこそ元売がその気になれば系列外への供給ルートなど価格面も含めてどうにでも出来ることなのです。


だから私はいつも言っているのです。

「業転玉はその場しのぎでしかない」
「系列3者店はPBの防波堤」
「高値店があっての安値店」


だけど、大切なエネルギー、多額の税金が掛かっている商品を、今のようなこんな状態にしていて良いわけがありません。

公取委さんは不当廉売なんていう表面的な事柄にとらわれないようにしてください。
エネ庁も、もっと真剣に考えて大至急何らかの措置を取ってください。

元売は・・・・







※消費者にこそ読んでもらいたい、燃料油脂新聞。


6月21日 燃料油脂新聞

 


PS
※どんなに高くなっても業転玉はアルのだとしたら、
「安いときにはその値段で仕入れて、(有事の際には)その時にはその時で高い値段で仕入れたら良いんじゃないのか???」、とフト思ったのですが・・・(汗)


こうちゃんにソレを言うと、

「それは理屈や」

「何事もなければ、お客さんへの安定供給のために系列から仕入れる。
何事もないのに、系列が業転から安く仕入れるのは、いくらキレイごとを言っても、それは自分が儲けるためや。
系列が業転を買うとしたら、それは緊急時、非常時だけや」

そしてまだ困惑顔の私を見て・・・

「何をそんな難しく考えることがあるねん。系列が系列から仕入れる。これは当たり前のことやないか」


そ、そうでした!!(^▽^;