まっ「ぷ」→「ぷ」ろれす
ボクシング映画に比べて、プロレスを扱った映画が少な過ぎる。
競技の構成(四角いリング、1対1)は同じはずなのに、なぜなのか。
と思いつづけていたところに、Netflixがドラマ『極悪女王』を制作、先日アップされた。
鈴木おさむのプロデュースに映画監督の白石和彌が演出、ダンプ松本とその時代を活写する。
主演は芸人のゆりやんレトリィバァ、そして俳優としての再起を図る唐田えりかと剛力彩芽。
概ね好評、自分も一気観して充分に楽しめた。
ただひとつ、プロレス関係者・愛好家のほとんど全員が指摘するのは「ブック」ということばを台詞で多用しているところ。
物凄く大雑把にいえば、「ブック」とは「アングル」とともにプロレスの隠語として知られる。
後者はリング外での物語、つまり因縁などを指し、
前者はリング内での物語、もっといえば筋書きを意味する。
このあたりが遠因ともなって映画にしづらい(映画がそもそも虚構であり、虚構の世界を虚構を用いて描くことの難しさ?)面もあるような気がするが、
しかし!
当のレスラーたちはこんな風に「ブック」「ブック」といいながら試合を組み立てているわけではなかった、、、という指摘。
ドラマや映画は史実・事実をそのまま描くものではない―ということを理解していても、「ブック」の台詞多用はプロレスをおおいに誤解してしまうのではないか?と、多くの関係者は危惧していると。
分かる。
分かるなぁ、それでなくとも誤解され易い「見世物」なので。
とはいえ。
映像作品においてここまでプロレスの本質に迫ったものはなかったのも事実、「ブック」で生じた誤解も含めて、そのアンサーになる映像作品を創ればいいのかもしれない。
というわけで、必見のプロレス映画3つを挙げておきましょう。
『アイアンクロー』(2023)
現時点における、年度ベスト映画。
エリック・ファミリーの呪われた歴史を通し、近代プロレスの隆盛を描いた。
映画は事実に即して展開はされていくものの、しかしじつは、事実のほうがもっと悲惨だった。
そうしなかったのは、作者の愛情だと感じたのだよね・・・。
『レスラー』(2008)
再起を図る落ち目のプロレスラーと、俳優としてもがく主演のミッキー・ロークがダブって見えてきて(というか、監督アルノフスキーが「そう誘導」している)落涙、不器用な男のイキザマが胸を打つ傑作。
『パラダイス・アレイ』(78)
この特集であれば必ず挙げられるであろう『カリフォルニア・ドールズ』(81)は敢えて選外とし、
完成度はけっして高くないが野心には満ちている、スライ初監督作を挙げておきたい。
敵役として、テリー・ファンクが登場するところにも注目してみよう!!
あすのしりとりは・・・
ぷろれ「す」→「す」し。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(516)』
ボクシング映画に比べて、プロレスを扱った映画が少な過ぎる。
競技の構成(四角いリング、1対1)は同じはずなのに、なぜなのか。
と思いつづけていたところに、Netflixがドラマ『極悪女王』を制作、先日アップされた。
鈴木おさむのプロデュースに映画監督の白石和彌が演出、ダンプ松本とその時代を活写する。
主演は芸人のゆりやんレトリィバァ、そして俳優としての再起を図る唐田えりかと剛力彩芽。
概ね好評、自分も一気観して充分に楽しめた。
ただひとつ、プロレス関係者・愛好家のほとんど全員が指摘するのは「ブック」ということばを台詞で多用しているところ。
物凄く大雑把にいえば、「ブック」とは「アングル」とともにプロレスの隠語として知られる。
後者はリング外での物語、つまり因縁などを指し、
前者はリング内での物語、もっといえば筋書きを意味する。
このあたりが遠因ともなって映画にしづらい(映画がそもそも虚構であり、虚構の世界を虚構を用いて描くことの難しさ?)面もあるような気がするが、
しかし!
当のレスラーたちはこんな風に「ブック」「ブック」といいながら試合を組み立てているわけではなかった、、、という指摘。
ドラマや映画は史実・事実をそのまま描くものではない―ということを理解していても、「ブック」の台詞多用はプロレスをおおいに誤解してしまうのではないか?と、多くの関係者は危惧していると。
分かる。
分かるなぁ、それでなくとも誤解され易い「見世物」なので。
とはいえ。
映像作品においてここまでプロレスの本質に迫ったものはなかったのも事実、「ブック」で生じた誤解も含めて、そのアンサーになる映像作品を創ればいいのかもしれない。
というわけで、必見のプロレス映画3つを挙げておきましょう。
『アイアンクロー』(2023)
現時点における、年度ベスト映画。
エリック・ファミリーの呪われた歴史を通し、近代プロレスの隆盛を描いた。
映画は事実に即して展開はされていくものの、しかしじつは、事実のほうがもっと悲惨だった。
そうしなかったのは、作者の愛情だと感じたのだよね・・・。
『レスラー』(2008)
再起を図る落ち目のプロレスラーと、俳優としてもがく主演のミッキー・ロークがダブって見えてきて(というか、監督アルノフスキーが「そう誘導」している)落涙、不器用な男のイキザマが胸を打つ傑作。
『パラダイス・アレイ』(78)
この特集であれば必ず挙げられるであろう『カリフォルニア・ドールズ』(81)は敢えて選外とし、
完成度はけっして高くないが野心には満ちている、スライ初監督作を挙げておきたい。
敵役として、テリー・ファンクが登場するところにも注目してみよう!!
あすのしりとりは・・・
ぷろれ「す」→「す」し。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(516)』
決してぶっくとやらや八〇〇とは言いませんでした。
ただアメリカ武者修行の時、下駄穿いたり眉毛剃ってくれとか三度笠の恰好してくれとプロモーター言われたと・・・。
おっしゃる通りプロレスの映画少ないですね。
蛇足ながら唐田さんこれを足掛かりに・・・。
追記
ツインピークスやっと25年後のたどりつきました。
どちらも危険で過酷な競技ですよ、双方のファイター・レスラーを尊敬しています^^
ツインピークス旅行、おつかれさまです!
いきなり展開のスピードが変わるので驚かれると思いますし、章によっては苦行に感じられるかもしれませんが、監督がほんとうにやりたかったことはコッチにあります。
最後まで観続ければ、そこが分かると思います^^