NEST OF BLUESMANIA

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音盤日誌「一日一枚」#289 ドクター・ジョン「AFTERGLOW」(BLUE THUMB BTD-7000)

2022-08-30 05:00:00 | Weblog

2005年10月17日(月)



#289 ドクター・ジョン「AFTERGLOW」(BLUE THUMB BTD-7000)

ドクター・ジョンといえば、アルバム「GUMBO」に代表されるようなニューオーリンズ・サウンドのひとであるが、彼はまたジャズのひとでもある。これは彼のもうひとつの顔を知ることのできる、ピュア・ジャズな一枚。95年リリース。

コンテンポラリ-なジャズの宝庫、GRPレーベルの社長でもある、トミー・ラピューマがプロデュースしている。

当然、バックをかためるミュ-ジシャンたちも豪華だ。ベースにレイ・ブラウン、ジョン・クレイトン、ドラムスにジェフ・ハミルトン、ギターにフィル・アップチャーチと、巧者ぞろい。寸分の隙もないサウンドを繰り広げてくれる。

でも、筆者的に気に入っているのは、その選曲だな。とにかく、ゴキゲンのひとこと。

おなじみの「ジー・ベイビー・エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー」をはじめとして、「アイム・ジャスト・ア・ラッキー・ソー・アンド・ソー」「ブルー・スカイ」「ソー・ロング」などなど、粋なナンバーが目白押し。

ホーンやストリングスも配した、リッチなサウンドに、ドクター・ジョンのあの塩辛声が乗っかると、まさに大人のムード。

いったん彼の歌を聴いてしまうと、若手ジャズ・シンガー、たとえばハリー・コニック・ジュニアの声なんか甘ったるく思えてしまう。人生の酸いも甘いもかみわけた男だけが表現できる、辛口(ドライ)な世界が、そこにある。

もちろん、歌だけでなく、ピアノの演奏もパーフェクト。鍵盤の上を自在に転がる、ドクター・ジョンの指は、文字通りマジック・フィンガーズ。

極上のウィスキー、あるいはキリキリに冷えたマティーニと一緒に、ぜひどうぞ。

<独断評価>★★★☆