バッグに入れてきた本を取り出す。
オリバー・パターワースの「大きなたまご」という本だ。
最近は目が悪くなったせいか、眼鏡をかけても小さな活字が読みにくい。
ある日図書館でたまたま手に取った児童書が大きめの活字で読みやすいことに気づき、
以来もっぱらこの種のものを好んで借りることにしている。
内容はファンタジーだったり愛情物語だったり、
子どもの頃体験した事だったりするのだが、どれも読後幸せな気持ちに涙する様なものが多い。
子どもが活躍する或いは子どもが中心のお話は、
内容に共感してわくわくどきどきするのではなく、
何だか孫を遊ばせているような喜びと(孫を遊ばせたことはないのだが)
何が起きても動揺しない絶対的な安心感の上でのおもしろさのような気がする。
大人向けのサスペンスやミステリーにある、殺人やバイオレンスのシーンが生々しいのはどうも苦手なのである。