あの日から9年
2011年3月11日2時46分東北地方でマグネチュード9.0の大きな地震が発生したと車のラジオで聞いて急いで家に戻りテレビをつけるとまさにこの世のものとは思われない光景が映し出された。
岸壁を超えた津波あっという間に市街に押し寄せ、激流となって路地という路地に流れ込み家々がバリバリと音を立て粉々になって波にのまれて流されていく。
がれきにつかまったまま流されていく人や、人が乗ったまま流されていく車も見えた。「危ない」。「早く、早く」。「逃げろ!」。 あれから9年立った今でも声が聞こえてくる。
今年3月1日時点で死者15、899人、行方不明者2、529人、震災関連死3、739人。避難生活をする人は約47、737人。道内には1、480人が今も避難を続けている。
巨大災害からの復興は容易ではない。土地の造成工事やカサ上げをし、災害公営住宅などで被災者の後押しをしているように見えるが、被災者の感覚と国の考えが必ずしも一致していない。
福島などで避難指示解除が進むが、住民の帰還の動きが鈍い。東電の廃炉作業も見通が立たず汚染水も増え続けている。被災者の故郷を国はどう償おうとしているのか復興支援策が一向に見えてこない。