ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

佐久荒船高原も真夏真っ盛りです

2010年07月25日 | 佐久荒船高原便り
 標高1100メートルの佐久荒船高原も真夏真っ盛りです。

 7月17日に関東は梅雨明けして以降、気温が摂氏35度以上の“猛暑日”が続く盛夏になりました。夜になっても屋内は30度ぐらいと暑く、寝苦しい日が続いています。

 一方、長野県と群馬県の境の内山峠近くにある佐久荒船高原は、標高が高いために昼間でも木陰は26度ぐらいと涼しいです。夜に時々、夕立があり、早朝は神秘的な朝霧に包まれるため、朝はかなり涼しいです。もちろん、昼間はカンカン照りの日向(ひなた)ではかなり暑く、空気が澄んでいるので、すぐ日焼けします。

 佐久荒船高原の森の中を散歩し、日本の盛夏は植物の天下と感じました。森の木々は葉をうっそうと茂らせて日陰をつくります。森がつくる木陰は涼しいです。下草がどんどん成長しています。特にツル系の植物はどんどん成長していきます。木にまとわりついて木陰を一層深くしています。

 標高1423メートルの荒船山も植物に覆われ、溶岩が固まったトモ岩以外の山肌は緑色に覆われています。緑のジャングルです。

 荒船高原の一部を占める神津牧場(群馬県下仁田町側)の草原では牧草などがどんどん成長しています。20~30キロメートル先の妙義山が見渡せる、のどかな景色の場所です。



 盛夏を代表する百合であるヤマユリは断崖の上では咲き始めています。森の中にも咲くものがあるのですが、採取されてしまうためか、現在は、人が近づけない、見上げるような断崖の上で、咲き始めたヤマユリを見かけることが増えています。

 現在、野原の中で咲き始めて目立つのは、コバギボウシです。下向きに咲く、淡い赤紫色の花が緑色の中で映えています。若々しい緑色の葉がみずみずしい感じです。親戚となるオオバギボウシも所々に咲くのですが、まだ準備中のようで、花を見かけません。



 森の中では、いろいろなキノコが育っています。盛夏に目に付くのは、タマゴダケです。白い卵状の中から鮮やかな赤褐色のキノコが殻を破るように出て来て育ち、赤褐色のカサを広げます。



 このタマゴダケは食べられます。美味とのことです。このため、動物がかじった跡があるものが少なくありません。最初に生えてくる白い“卵”は、教えられなければ、キノコとは思えないものです。

 秋になるといろいろと生えてくるキノコは、キノコに精通した地元の方に食べられるかどうかを判断してもらうことが重要です。キノコの図鑑は似たものが多く、素人には判定できません。

 森の中では、夏のメインコーラスグループのアカハラがよく鳴き始めました。早朝はもとより午後でも「キョロンキョロン」とよく鳴きます。この声は盛夏が来ていることを伝えています。山道では地上でミミズを探しているアカハラによく出会います。ホウジロやウグイス、モズも鳴いています。ホトトギスやカッコウも時々遠くで鳴きます。

 渓流近くではミソサザイが一生懸命鳴いています。身体が10センチメートル程度と小さいのに、精一杯鳴く続ける野鳥です。山道を歩いていたら、ヤマドリ二羽が、森の梢の上から滑空して飛び去って行きました。高い木の梢から飛び出して来たので、かなりの迫力を感じました。輝くきれいな羽根の色が見えました。

 野草も鳥も昆虫も必死に生き、生命力を発散しています。盛夏は植物も動物も生き延びることに集中しています。