標高1100メートルの佐久荒船高原も、真夏の昼間の日向(ひなた)はやはり暑いようです。
佐久荒船高原の一部を占める神津牧場は、日本で最初の西洋式牧場だそうです。明治20年(1887年)に、群馬県下仁田町の山岳部分につくられました。この牧場は現在、ジャージー種という乳牛が売り物です。この乳牛から採れる牛乳は脂肪分が多く、とてもおいしいです。その代わりに1リットル当たりの牛乳パックは価格が通常の5倍ほど高いです。
盛夏の日中、牧場沿いに走る林道を行くと、陽当たりのいい草原の中で、ジャージー種の乳牛が1カ所に集まっていました。どの牛も耳を団扇(うちわ)のようにパタパタと素早く動かして扇いでいます。みんなで内側に日陰をつくり、耳で風を送り合っています。
耳をパタパタと動かすことで、身体にいくらかでも涼しい風を呼び込めるのかどうかは分かりません。どの牛も真面目に耳を動かし、「暑いナー」という感じで、こちらを見ていました。なぜ、耳をパタパタしていたかは本当の所は、乳牛に聞いてみないと分かりません。「草原の日向は暑そうだな」と思いました。「少し歩けば、木陰もあるのに」とも思いました。
山道で出会ったキジの雄も注意力が少し散漫でした。いつもならば、近づくとすぐに逃げ出すのに、逃げ出しません。暑い日向を歩いていて、少しばてている感じでした。
羽根も求愛シーズンの春先に比べて、やや輝きが鈍っていました。“夏羽根”なのでしょうか?。少し経ったら、木陰が濃い森の中に入っていきました。キジにも夏ばてがあるのでしょうか。
盛夏なので、昆虫も当然盛んに活動中です。クロアゲハ系の大きなアゲハも日の当たる明るい所を飛んでいきます。山道で、清水が細々と流れている個所に降りて、盛んに水を飲んでいます。暑さ対策なのでしょうか。
佐久荒船高原の森の中では、ウバユリ(姥百合)が開花準備を着々と進めています。高さ1メートル程度に伸びた茎の先端に、蕾(つぼみ)を含んだ紡錘形の“房”のようなものが大きくなって、花の蕾に分化していきます。細長い鉄砲ユリに似た感じのラッパ状の花をいくつかつけます。
ウバユリの薄緑色の花は、良い香りがします。ウバユリと呼ばれる理由は、花が咲く時になると、地表近くの大きな葉が枯れて“ハナシ”になるため、“歯なし”と言い換えられ、これから“姥”が発想されたといわれています。実際には、咲いているウバユリの多くは、葉がいくつか残っているものが多いのですが。少し茶色に枯れかけた感じになっています。開花までは、もうすぐです。真夏の森の中を少し華やかにするのがウバユリです。
当然、秋にはウバユリは枯れて、元花の部分から鱗片状の種をたくさん実らせます。晩秋の森の殺風景な風景の中に、枯れたウバユリの茎が立っています。晩秋の風物詩です。盛夏の草原や森は、そんなことをまったく感じさせない生命力に満ちています。
佐久荒船高原の一部を占める神津牧場は、日本で最初の西洋式牧場だそうです。明治20年(1887年)に、群馬県下仁田町の山岳部分につくられました。この牧場は現在、ジャージー種という乳牛が売り物です。この乳牛から採れる牛乳は脂肪分が多く、とてもおいしいです。その代わりに1リットル当たりの牛乳パックは価格が通常の5倍ほど高いです。
盛夏の日中、牧場沿いに走る林道を行くと、陽当たりのいい草原の中で、ジャージー種の乳牛が1カ所に集まっていました。どの牛も耳を団扇(うちわ)のようにパタパタと素早く動かして扇いでいます。みんなで内側に日陰をつくり、耳で風を送り合っています。
耳をパタパタと動かすことで、身体にいくらかでも涼しい風を呼び込めるのかどうかは分かりません。どの牛も真面目に耳を動かし、「暑いナー」という感じで、こちらを見ていました。なぜ、耳をパタパタしていたかは本当の所は、乳牛に聞いてみないと分かりません。「草原の日向は暑そうだな」と思いました。「少し歩けば、木陰もあるのに」とも思いました。
山道で出会ったキジの雄も注意力が少し散漫でした。いつもならば、近づくとすぐに逃げ出すのに、逃げ出しません。暑い日向を歩いていて、少しばてている感じでした。
羽根も求愛シーズンの春先に比べて、やや輝きが鈍っていました。“夏羽根”なのでしょうか?。少し経ったら、木陰が濃い森の中に入っていきました。キジにも夏ばてがあるのでしょうか。
盛夏なので、昆虫も当然盛んに活動中です。クロアゲハ系の大きなアゲハも日の当たる明るい所を飛んでいきます。山道で、清水が細々と流れている個所に降りて、盛んに水を飲んでいます。暑さ対策なのでしょうか。
佐久荒船高原の森の中では、ウバユリ(姥百合)が開花準備を着々と進めています。高さ1メートル程度に伸びた茎の先端に、蕾(つぼみ)を含んだ紡錘形の“房”のようなものが大きくなって、花の蕾に分化していきます。細長い鉄砲ユリに似た感じのラッパ状の花をいくつかつけます。
ウバユリの薄緑色の花は、良い香りがします。ウバユリと呼ばれる理由は、花が咲く時になると、地表近くの大きな葉が枯れて“ハナシ”になるため、“歯なし”と言い換えられ、これから“姥”が発想されたといわれています。実際には、咲いているウバユリの多くは、葉がいくつか残っているものが多いのですが。少し茶色に枯れかけた感じになっています。開花までは、もうすぐです。真夏の森の中を少し華やかにするのがウバユリです。
当然、秋にはウバユリは枯れて、元花の部分から鱗片状の種をたくさん実らせます。晩秋の森の殺風景な風景の中に、枯れたウバユリの茎が立っています。晩秋の風物詩です。盛夏の草原や森は、そんなことをまったく感じさせない生命力に満ちています。