東京都台東区上野の東京国立博物館の平成館で開催されている「ボストン美術館 日本美術の至宝」特別展に行って来ました。開催期間は、2012年3月20日~6月10日です。
こうした人気が高い展示会は、最終日間近になると、やっぱり見ておきたいと思う方が多数来館するためにかなり混みます。今回は、平成館の手前の広場で約30分待たされてからの入館になりました。
東京国立博物館の平成館は右手の奥です(画像には写っていません)。
予想した混み具合・待ち時間としては、まあまあの混み具合でした。ただし、天気がよく、広場で待っている方たちは、熱射病を避けるために、無料で日傘が貸し出され、年配の方々は日傘を差しました。
「ボストン美術館 日本美術の至宝」特別展のキャッチフレーズは「まぼろしの国宝、ニッポンに帰る」でした。
そのパンフレットの中には「ボストン美術館はいわば海の向こうの正倉院」との記述もあります。いくらか、自虐的な表現です。
米国ボストン市のボストン美術館には、総数10万点の美術品が保存されているそうです。約100年間にわたって、アーネスト・フェノロサ氏などの目利きが収集したものです。日本側も岡倉天心氏などが協力しています。
徳川時代から明治時代への激動期に、明治維新後に成立した新政府が慶応4年3月13日(1868年4月5日)に発した太政官布告(通称神仏分離令、神仏判然令)と、明治3年1月3日(1870年2月3日)に出した詔書「大教宣布」などの政策によって、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)が引き起こされ、仏教寺院・仏像・経巻を破棄する動きが起こりました。この時に、日本の仏像や教典などが、米国などの“目利き”に価値を見いだされ、保存されたのです。
この保存によって、今回の特別展では、長谷川等伯(はせがわとうはく)や狩野探幽(かのうたんゆう)、尾形光琳(おがたこうりん)、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)などの安土・桃山時代から江戸時代までの近代絵画の傑作を見ることができました。
今当時を振り返って考えれば、徳川時代から明治時代に切り替わる社会システムの変革期に、誕生したばかりの明治政府が神道国教化政策・神仏分離政策をとったために、廃仏毀釈が引き起こされました。自分で考える力・哲学があればと考えるのは、酷なことなのでしょうか。時代の流れに左右されずに、自分で考え判断するには、日々の思考が大切になります。
今回の特別展の売り物は、江戸時代の変人絵師の曽我蕭白(そがしょうはく)でしょう。雲龍図は現代アートでした。
これを保存してもらったとなると、やはり米国人の“目利き”という美術収集家に感謝するのが自然なのでしょうか。ナショナリズムの点では、なかなか複雑な思いなのですが。表面的な動きに左右されずに、自立して生きることはいつの時代も難問です。
こうした人気が高い展示会は、最終日間近になると、やっぱり見ておきたいと思う方が多数来館するためにかなり混みます。今回は、平成館の手前の広場で約30分待たされてからの入館になりました。
東京国立博物館の平成館は右手の奥です(画像には写っていません)。
予想した混み具合・待ち時間としては、まあまあの混み具合でした。ただし、天気がよく、広場で待っている方たちは、熱射病を避けるために、無料で日傘が貸し出され、年配の方々は日傘を差しました。
「ボストン美術館 日本美術の至宝」特別展のキャッチフレーズは「まぼろしの国宝、ニッポンに帰る」でした。
そのパンフレットの中には「ボストン美術館はいわば海の向こうの正倉院」との記述もあります。いくらか、自虐的な表現です。
米国ボストン市のボストン美術館には、総数10万点の美術品が保存されているそうです。約100年間にわたって、アーネスト・フェノロサ氏などの目利きが収集したものです。日本側も岡倉天心氏などが協力しています。
徳川時代から明治時代への激動期に、明治維新後に成立した新政府が慶応4年3月13日(1868年4月5日)に発した太政官布告(通称神仏分離令、神仏判然令)と、明治3年1月3日(1870年2月3日)に出した詔書「大教宣布」などの政策によって、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)が引き起こされ、仏教寺院・仏像・経巻を破棄する動きが起こりました。この時に、日本の仏像や教典などが、米国などの“目利き”に価値を見いだされ、保存されたのです。
この保存によって、今回の特別展では、長谷川等伯(はせがわとうはく)や狩野探幽(かのうたんゆう)、尾形光琳(おがたこうりん)、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)などの安土・桃山時代から江戸時代までの近代絵画の傑作を見ることができました。
今当時を振り返って考えれば、徳川時代から明治時代に切り替わる社会システムの変革期に、誕生したばかりの明治政府が神道国教化政策・神仏分離政策をとったために、廃仏毀釈が引き起こされました。自分で考える力・哲学があればと考えるのは、酷なことなのでしょうか。時代の流れに左右されずに、自分で考え判断するには、日々の思考が大切になります。
今回の特別展の売り物は、江戸時代の変人絵師の曽我蕭白(そがしょうはく)でしょう。雲龍図は現代アートでした。
これを保存してもらったとなると、やはり米国人の“目利き”という美術収集家に感謝するのが自然なのでしょうか。ナショナリズムの点では、なかなか複雑な思いなのですが。表面的な動きに左右されずに、自立して生きることはいつの時代も難問です。
ただし、出展される美術品は少し減っているそうです。でも、楽しみです。