とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

舞台『あなたの目』をライブ配信で見ました。

2020-09-27 05:14:45 | 演劇
 舞台『あなたの目』をライブ配信で見ました。疲れきっていて、申し訳ないことに最初若干寝てしまったのですが、しだいに舞台にのめりこみ、見終わった後にいい舞台を見た充実感がありました。考えさせられる作品です。

【作】ピーター・シェーファー
【上演台本・演出】寺十吾
【出演】小林聡美 八嶋智人 野間口徹

(あらすじ)
 会計事務所を開いているチャールズとその妻ベリンダは最近うまくいっていない。チャールズは妻の浮気を疑い、ジュリアンという探偵を雇う。最終的に探偵はふたりにある提案をする。お互いに距離をとって言葉を交わさずただ観察する、つまりパブリックアイ(第三者の目)になることであった。

 以前、鴻上尚史氏の本で「同化」と「異化」について説明しているのを読み、なるほどと思ったことがありました。。演劇は登場人物になりきる「同化」が大切であるが、時にはそれを第三者の目として見る「異化」も必要であり、「同化」と「異化」を繰り返していく作業なのだという内容だったと記憶しています。

 人間関係も同じです。ふたりの役割がきまてしまうとそれに固定していまい、新たな自分を生み出せなくなってしまうのです。チャールズとベリンダは年が離れているということもあり、教師と生徒という役割に固定してしまっていました。そのために二人とも本来持っている感情を失い、苦しい状態になったのです。探偵はそれを見抜いたのでしょう。

 この話は、演劇論でもあり、人間関係論でもあるのです。演劇が人間に必要な理由もそこにあるのであはないかと思われて、演劇を好きであることがほこらしくなるような作品でもあります。いい作品に出合いました。

コメント
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