統合失調症患者を扱ったドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』を見ました。様々な角度から考えさせられる映画でした。
監督は藤野知明氏。彼の姉が統合失調症であることがわかりますが、医学の研究者である父は、その姉の精神科による。そのことに疑問をもった藤野知明氏が家族の映像を残すことを考えます。姉の症状は次第に悪化していきます。知明氏の意見を両親とも受け入れず、精神科の医療を受けさせようとしません。治療を遠ざけます。とうとう姉は狂ったような言動をやめなくなり、とうとう父親は精神病院に入院させます。いい薬が見つかった姉は精神が安定していきます。しかし、やはりどこかに違和感がのこります。癌にかかり、死を迎えます。
統合失調症は、家族が他人に知られることを嫌い、実際にどういう状態になるのかわからないことが多いのだと思います。このような生なましい現実を見ることは意義のあることであり、監督に感謝したいと思います。
ただし、この映画の公開を姉に承諾を得ているわけではありません。死者のプライバシーの侵害になるのではないかという気もします。
その意味もこめての「どうすればよかったか?」だったのだと思いますが、釈然としない部分が残ります。
監督もいろいろと考えて、悩み、苦しみ、公開を決断したのだと思います。監督の心中をお察しします。
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