新年最初の映画はシネマ歌舞伎『ぢいさんばあさん』でした。正月にふさわしい泣けるいい芝居、いい映画でした。
片岡仁左衛門と坂東玉三郎の主演で、15年前の歌舞伎をそのまま映像化した映画です。原作は森鴎外。人のいい美濃部伊織と妻るんは評判のおしどり夫婦でした。子どもも生まれ幸せに暮らしていました。伊織は京都の屋敷に一年「単身赴任」することになります。京都で伊織はふとした弾みから同輩を斬ってしまいます。そのせいでるんのもとへ帰れなくなります。帰参が許されたのは37年後。年老いた二人が再会します。
仁左衛門と玉三郎の分かりやすいけれども細かな演技がすばらしい。若い時と年老いた時の演技が、顔つきから体の使い方、そしてしゃべり方まで見事に演じ分けています。しかもそこに嫌味がない。芸を極めた来た二人ならでは演技です。この演技を見ているだけで満ち足りた気持ちになってきます。
時々、見えて来る伊織の後悔と懺悔の気持ち、そしてそれを覆い隠そうとする明るい振舞が涙を誘います。
正月早々いいものを見ました。
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