新型コロナウイルスのワクチン注射が、他の先進国に比べて遅いことに批判が集まっている。果たして批判すべきことなのか。もっと冷静に考えるべきだ。
新型コロナウイルスのワクチン注射はアメリカやイギリスなど早い国はかなり進んでいるのに対して、日本は相当遅れている。先進国では最下位である。確かに新型コロナウイルスのワクチン接種ははやくしたい。それは当然ではある。しかし日本の感染状況や致死率を考えた場合、他国を優先するのはいたしかたないのではなかろうか。
アメリカやイギリスは国家的なロックダウンを強いられた国で、新型コロナウイルスに日本の何倍も苦しめられた国である。そういう国が優先されるのは 当然である。現在はインドが苦しめられている。今はインドへのワクチンが優先されるべきであろう。
日本だって死者が出ているし、経済的に苦しんでいる人がいる。だからきれいごとを言っている場合ではないと言う意見ももっともではある。しかし世界的な視点を考えれば、日本がそこまで焦る必要がないと考えるほうが合理的である。ワクチン接種の遅れを感情的に批判するのは国家エゴと言ってもいい。
と、ここまで書いていて、とんでもないニュースが流れてきた。
〔ニュース速報〕(2021.05.06 23:00)
国際オリンピック委員会(IOC)は6日、東京五輪・パラリンピックに参加する各国・地域の選手団に向け、米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを提供すると発表した。
これはありえない。これまで日本政府やIOCが否定していたことをここに来てやっぱりやるというのだ。ワクチン接種の優先順位などどうでもいい。アスリートを優先させようとしているのだ。もはやオリンピックの精神なんかどうでもいいということだ。
オリンピックは何様なんだ。オリンピックは中止するしかない。怒りのために眠れなくなってしまった。