(高校生1年生向けの文章です。)
文章は繰り返し読まなければその良さはわかりません。小説も同じです。いい小説は繰り返し読むとさらにその良さがわかってきます。
みなさんもいい映画を何度も見たことがあると思います。見れば見るほど良さが分かります。繰り返し見ることによって、映画をおもしろくするためにはこうすればいいということが自然にわかってくるのです。映画はこうすればおもしろくなるというのが「映画の文法」です。繰り返し見ると言うことは「映画の文法」を楽しみながら学んでいるのです。
好きな曲は何百回、何千回と聞いていると思います。あきることはありません。それによって「音楽の文法」を自然に学んでいるのです。
小説も繰り返し読むことがどうしても必要です。繰り返し読むことをやっていれば自然と「小説の文法」が身に付いてくるのです。
みなさんは将来の受験のことを考えると、どうしても効率的な読み方を身に付けようとします。確かに受験に向けた読み方を学ぶことは、「受験」という制度の中では必要なことです。しかし受験に向けた読み方を学ぶためにはそれ相応の基礎的な「小説の文法」が必要なのです。二桁の掛け算の方法を学ぶとき、九九が身についていなければどんな説明も理解できないということと同じです。
たくさん小説を読んでください。たくさん本を読んでください。その時間がなかなかとれない人は教科書の教材をできるかで繰り返し読んでください。それが国語力をつける第一歩です。