『吾輩は猫である』を読んで、メモしていく。今回はその11回目。第十一章。この章が最終章である。
【寒月は結婚していた!】
迷亭と独仙が碁を打っている。そこに寒月と東風も苦沙弥のそばで話をしている。寒月は鰹節を三本持参する。鰹節は少々ネズミにかじられている。船の中でヴァイオリンと一緒に袋の中に入れていたらかじられてたのだ。そこから寒月がどうやってヴァイオリンを手に入れたのかなどヴァイオリンの逸話が語られる。
夫婦の話になり、東風は次のように言う。
「僕の考えでは人間が絶対の域に入るには、只二つの道があるばかりで、その二つの道とは芸術と恋だ。」
急展開がある。この小説は寒月と金田嬢との結婚話で進んできたのだが、突然寒月は他の女性と結婚したことが明かされる。鰹節はそのお祝いとしてもらったのだという。そろそろこの小説の連載をやめたくなって強引に幕引きを図ったとしか思えない展開である。
【近代論争】
この後、登場人物たちの議論が始まる。ここが一番夏目漱石らしい内容かもしれない。そこでこのことは次回に回したい。
【多々良三平が金田嬢と結婚!】
第五章で登場し、猫を食ってやると言っていた多々良三平が登場し、金田嬢と結婚することになったと告げる。なんとも雑な展開。お祝いでビールを買ってくる。みんなで飲む。
【「吾輩」の死】
「吾輩」はビールを飲んで見る。酔っぱらって水瓶に落ちてしまい溺れて死んでしまう。なんともあっけない終わり方である。このあっけない終わり方は戯作っぽいのかもしれない。