NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンと契約するためにナイキがどういう努力をしたのかを描く映画『AIRエア』を見ました。現代的な攻めのビジネスが刺激を与えてくれる映画です。
当時のナイキは陸上のシューズには強いがバスケットシューズに関しては3流企業でした。コンバースやバスケットに関しては新興のアディダスに後れをとっています。そんなナイキがバスケットシューズでシェアを獲得するために、新人の一流選手と契約しようとします。まずはそこでマイケル・ジョーダンを選ぶ目を持っていたことが成功の第一歩でした。
次にナイキを快く思っていなかったジョーダンと契約するために、シューズの色のルールを逸脱し、違反してもその罰則金をナイキが支払うという手にでます。これには賛否両論あるだろうと思われます。日本人ならばルールはルールだと非難轟轟でしょう。しかしこれをやってしまうのがアメリカです。ルールを変えても前に進もうとするビジネスの力を感じます。北海道の新球場の問題もこれに近いもののようにも思えます。
最後に大きなハードルが待っています。マイケルの母親からシューズの売り上げの一部をマイケルの収入にするような提案がなされます。当時はそういう契約はありえなかったのです。しかしそれを認める決断をします。これによってそれ以降の超一流アスリートはビジネスの主人公となり、莫大な収入を得ることができるようになります。スポーツが巨大ビジネスへと変貌したのです。この歴史的な変革をどうとらえるかは人それぞれです。しかし現代のスポーツビジネスの巨大化はここにあったことがよくわかります。
ナイキの宣伝映画のようにも感じますが、攻めの生き方を学び、今後の自分の生き方を考えさせられる映画でした。