先日『ひるおび』を一瞬だけ見ていた。エルニーニョの説明をしている場面だった。そこに出ていた気象予報士がエルニーニョと温暖化は関係ないという説明をしていた。しかしそれは間違いである。関係は不明だというのが現在言い得ることである。
気象庁のHPでも次のようなQ&Aが掲載されている。引用する。
Q エルニーニョ現象と地球温暖化は関係があるのですか
A 1990年代前半に、太平洋赤道域東部の海面水温偏差が正の状態が長く続きました(気象庁の定義では、1991年春〜1992年夏がエルニーニョ現象発生期間となっています)。地球温暖化の影響の可能性を指摘する調査結果がある一方、自然変動だけで十分説明できるとする調査結果もあり、必ずしも、研究者の間で意見が一致しているわけではありません。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次報告書によれば、多くの地球温暖化予測実験モデルで、温暖化したときの平均的な海面水温の昇温は、太平洋赤道域東部の方が西部に比べて大きく、エルニーニョ時に見られるようなパターンになると予測されています。しかし、数年おきに発生するエルニーニョ現象のモデルによる再現性はあまりよくないため、温暖化したときにエルニーニョが今より頻発するかどうか、規模が大きくなるかどうかについて結論はでていません。
地球の温暖化とエルニーニョ現象の関係はまだはっきりしていなのである。
次は私が去年の7月2日にここに書いたものである。再掲する。
さすがに今年は暑い。この暑さの原因はラニーニャ現象だという。最近はラニーニャとエルニーニョが交互にやってきている。普通の年がない。なぜなのだろうか。
ラニーニャ現象というのは南米ペルー沖の海水温が下がることである。その結果フィリピン沖の海水温が上がり、その結果日本上空の偏西風が北に蛇行し、日本が熱くなるという理屈のようだ。今年の梅雨が短かったのは、北に蛇行した偏西風のおかげで梅雨前線が押し上げられたせいだという。
昔、エルニーニョとかラニーニャという現象が言われ始めたとき、それはペルー沖の海底火山のせいだという説明を聞いたことがある。だとしたらこんなに頻繁に起こるのはおかしい。そこで調べなおしてみると、実はエルニーニョとラニーニャの原因がまだはっきりとわかっていないのだという。だとすれば環境破壊がその原因だという可能性もある。
日本が暑いということは、世界のどこかでは寒い地域があるのかもしれない。だとすれば地球温暖化とは言えない。しかし世界中の平均気温が上がっているという調査結果をみたこともある。それが事実だとすればやはり環境破壊を食い止める必要がある。
科学的な知見を持ち寄って、議論をし、それを整理していく過程が必要だ。何が正しいのかがわからない。近年の暑さが、やはり環境破壊のせいならば、別次元の対策が必要である。
冷静な議論とそれを一般に広めるマスコミ等の努力を期待する。
結論は同じだ。これだけ毎年のようにエルニーニョとラニーニャが起こっていることを、簡単に考えてはいけないのではないか。