NHKBSで再放送している「カーネーション」を見ている。コシノ三姉妹の母親、小篠綾子をモデルにしたドラマだ。評価の高いドラマなのだが、私は今回が初めて視聴している。これがすごい。
このドラマのすごさは、人間の悪い部分をしっかりと描いており、その悪い部分が実は人間のいい部分でもあることが明確に伝えようとしているということである。
小林薫演じる父親は暴力をふるうし、仕事はしない、酒ばかり飲んでいるとんでもない父親だ。しかし、そんな父親がやっぱり頼りになるときがあるのである。そしてとんでもないところに魅力が生まれるのである。
尾野真千子が演じる主人公も、前ばかり見て突っ走る。だからぶつかってばかりである。それでもそれが自分の生き方だと開き直る。近くにいたらいやなタイプである。でもだからこそ魅力がある。
脚本は渡辺あやさんという方で、テレビドラマよりも映画のほうで活躍していたようだ。最近のドラマは「エルピス」を執筆している。いろいろな作品を見てみたい。
いい人でなければ許されない今の世の中で、人間らしさとは何かを考えさせてくれるドラマだ。