映画『燃ゆる女の肖像』を見ました。セリフは抑えられているのですが、表情によって心が描かれ、人間の心に近づいていく映画です。最後のシーンの表情は見事です。
監督 セリーヌ・シアマ
キャスト ノエミ・メルラン
アデル・エネル。
18世紀のフランス・ブルターニュ地方での話です。画家のマリアンヌは貴族の娘エロイーズの見合いのため、彼女の肖像画を依頼されます。しかしこの二人に「愛」が生まれます。その「愛」の形を静かに丁寧に描いていきます。
2人の女性はお互いの表情を読み解いていくようになります。マリアンヌは画家としてエロイーズの表情をよく観察します。心がどのような表情に現れていくかが分かるようになります。エロイーズは自分を見つめる視線に気づき、逆にマリアンヌの表情に敏感になっていきます。このふたりの視線の交差が愛を生みます。
観客もいつのまにか、二人の表情に敏感になります。そしてセリフ以上にふたりの表情が物語ることに気づくようになります。
ラストシーンはエロイースの表情がかなり長い時間映し出されます。様々な感情を物語る表情は大きな余韻を残します。
淡々とした流れの映画ですが、心のドラマが感じられ決して退屈しません。すばらしい映画でした。
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