映画『アプローズ・アプローズ』を見ました。刑務所の囚人たちがパリのオデオン座で講演をするという大人のメルヘンのような物語。しかしその結末も「大人のメルヘン」になっています。人生の機微を感じる佳作です。
売れない俳優エチエンヌは、刑務所の囚人たちを対象とした演技ワークショップの講師を依頼されます。彼はなんとサミュエル・ベケットの戯曲「ゴドーを待ちながら」を演目に選びます。囚人たちがいつまでたっても現れない「出獄」を待ち望む姿と、ゴドーを待つ男たちとを重ねたからです。
それにしても難しい戯曲を選びました。実際の舞台はドタバタになってしまいますが、それもまた観客に受けてしまいます。意外にも高い評価を得ることになります。
彼らの活躍はパリにまでも届き、とうとう大劇場パリ・オデオン座に出演することになります。しかし囚人たちは逃げ出してしまいます。もう待つことをやめてしまったのです。
エチエンヌは悲嘆にくれながらも囚人たちの心によりそったスピーチを行います。そのスピーチは私にはきれいごとに聞こえましたが、そうでもしなければ救われないものでした。
私たち人間は無理な希望でも、希望さえあれば待ち続けます。一生待ち続けるのです。しかしいつの間にか待ち続けることのむなしさもわかるようになります。希望とむなしさが同居した心を抱えながら生きていくのです。
「人生の意味」が心に落ちてくるようないい映画でした。
まあいいやと思ってましたが、この記事で
観てみたくなりました。
>もう待つことをやめてしまったのです。
ずきっとしました。
私もずっと、あることを待っています。
虚しい希望を持ちながら、出来ることを必死にやりながら、待っています。
そんな私を、多くの人が笑い、馬鹿にするのを、必死に耐えてきました。
先日、あることをしたことで、
何年もご無沙汰の知り合いから、いきなり連絡が来て、ひどい言葉を投げつけられました。
そういうこと続きの人生です。
この映画、どういう結末なのかな。
あきらめろって映画だったら観ない方が良いかな。
ともあれ、気になりました。
ご紹介、有難うございます。
予告編だけではここまで気になりませんでした。
またの記事を楽しみにしていますね😊