最近見たネット・オークション出品のサンカンペーン陶磁である。先ず出品名であるが、それはS-3 タイ陶磁器【サンカンペーン鉄釉、黒襷刻線文壺】となっていた。
写真だけで真贋を判断するのは難しいが、見ると本歌の特徴をもっている。鍔付きの口縁、刷毛塗の釉薬とその流れ、双耳の形状と劃花(刻花)の格子文、高台底の胎土色等々である。
ところが、この手の壺は、短期間にこれで確か4点目である(過去はココ参照)。しかも出品者は、過去の出品と同じSa×ik×en4×8さんである。つまり同一業者による短期間の少なくとも4点程の出品である。本歌のである多数の同類の壺が同一業者に集まるのか?・・・との疑念が頭につのる。
このようになると、冷静な目でみえなくなる。現物を前にして手触り、重量感をみないと判断できないとの思いになる。ネット・オークションであれば、それはできない。
結論から云えば、先の出品作も含めてグレーさが漂う品である。東南アジア陶磁が趣味の知人に確認すると、自分も応札しようとしたが、小生と同じ思いをだき、応札をあきらめたとのこと。ことの真偽はモノを前にしない限り判断できないとの結論である。
<了>