過日、ネット・オークションに出品されていた3点である。先ず、コレは?と思う品から。
シーサッチャナーライ・青磁鳥形水注である。鳥はハンサ(ハムサとも、タイでは確かホンと呼ぶ聖鳥)を写したものである。タイではシーサッチャナーライであれ北タイ諸窯であれ、我が国のように伝世品は、皆無とは云わないが、未だ見た記憶がないほどである。従って発掘品・出土品である。それらは約600年の長きにわたり土の中に眠っていたことになる。多かれ少なかれ貫入や高台に土銹を見ることになる。成程、高台裏には焼台の目跡は、約束事を踏襲しているが、貫入に土銹を見ず、昨日の焼き上がりのように見える。シーサッチャナーライは素人で、偽物と断言する知識をもたないが、限りなく?である。残念ながら2万円で落札されたようである。
それでも、出品者に売りつけた骨董屋はカワイイものである。狡猾な業者は、写真のような今できの品を土中に10年埋める。程よい土銹や時代銹をつける。これにあえば、素人は見分けがつかない。
”な~んでもタイランド2”氏が詳しいので、氏の見立てを聞きたいものである。
2点目はカロンの鉄絵花文盤である。極端に狭い高台幅、砂噛みの胎土と削り痕、貫入の土銹等々申し分なし。25500円の落札である。タイで1万バーツ以下となるが、安い買い物である。最近のタイの相場を知らないが、日本円で5万円は下らないであろう。
3点目は、サンカンペーンの所謂”犬の餌鉢”と呼ぶ、ありふれた灰釉盤である。内面は肌色からやや青磁がかった色合いをしている。最低落札価格がそれなりに設定されていたことから落札者はいなかったようである。本物です。
<了>
やはり専門家。小生などはシーサッチナーライを知らないくせに、真贋云々するの資格はないようですね。窯址出土品に土銹、カセを見ない件、肝に銘じておきます。コメントありがとうございました。
違和感のある青磁水差ですね。手の込んだ器型に対して、簡易な線刻が施されていますが、やはりカンナによる片彫りが当時の技法だったのでは… 釉掛けも雑で、緋色が出ていないのもなんだかな…… 真贋の判定材料にはなりませんが。 ただ言えるのは過去に完品に出会ったことはありません。都市遺跡からの出土が多いですが、発掘中に破損しています。
窯跡出土のサンカローク青磁は貫入の土銹やカセを見ない物が多いです。判断基準にしては危険です。
コメントありがとうございました。
Dr.Kさん
いろいろな見方を教授していただきありがとうございます。感性は磨く必要がありますね。
しかも、なんとなく日本人の手によるものではないかと思ったわけです。
ただ、どうなんですかね、これは、贋物を作ろうと思って作ったのではなく、誰かが、何かの目的でタイの古いものの写しを作ってみようと思って作られた物なのではないかと思うんです。
それを、或る方が、タイの本物として売りに出したものなのではないでしょうか。
贋物造りなら、もっと、いかにも本歌らしく作りますよね。これは、いかにも幼稚ですものね(~_~;)