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13本の矢を受け、顔面が破損した頭骨の男性は何故なのか?:土井ヶ浜遺跡(3)

2020-09-29 08:10:08 | 博物館・山口県

<続き>

土井ヶ浜遺跡人類学ミュージアムでは、13本の矢を受けた人骨を『英雄』と呼んでいるようだ。

説明によれば、『英雄』は78人以上の人々と共に海岸の墓地で眠っていた弥生前期の人で、1954年の第2次調査で出土した第124号人骨のことである。この人骨の胸から腰にかけて13本の鏃が打ちこまれていた。至近距離から打ち込まれたものとされ、土井ヶ浜のムラを守るために戦った戦士であったと考えられている。彼は体格のいい成人男性であり、右腕に南島産のゴホウラ貝で作った腕輪をしていることから、南方系の人々と関係が深いと記されている。

果たしてそうか。この人骨以外に、多くの鏃が撃ち込まれた人骨は存在しない。この人骨は、四肢骨の保存状態はきわめて良好だが、頭蓋骨は顔面が破損している。霊力を失い裁きを受けたシャーマンであろうか?・・・状況から判断すれば、シャーマンかどうかは別にして、やはり裁きを受けた成人男性と思われる。

<続く>


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