発達の教室に移ってから、ソーシャルスキルトレーニング(SST)の指導が毎日のように繰り返されている。教室の中でのルールに始まり、社会生活上でのルール。子どもたちはルールに囲まれて生活している。発達障害という特性上、当然、守れなくて叱られることが多く、心が荒れ荒んだ状態で通級してくる子もいる。その一部始終を担任から前もって聞いてあるので、どうしてそうなってしまったのか、どうすることが正解だったのか、あらためて考えさせる。殆どの子どもたちはあらためて問い直さなくても、自分が選ぶべき正解は分かっている。だがどうにも相手を許せなくなり手が出てしまう。つまり、相手が反応をわかっていてちょっかいを出すパターンが多いのだ。担任も周りへの指導で手一杯。その場を見られない私には、子ども本人に防衛策を取らせるしかない。如何に苛立ちを抑えるか?毎回手立てを工夫しながらSSTの例題を考える。最近取り入れた「◯◯クイズ」方式は、やたらうまくいって驚いている。名古屋のローカル番組のマネで私が小学生の頃からやっていた。平成の初めに終わったものだが、先日スペシャル復活を遂げた。親たちは主題歌も歌えるほどの人気番組だ。そのおかげで子どもたちにも受け入れやすかったのだろう。ノリノリでやってくれる。だが、SSTに特化した問題を考えるのは私。問題の性格上、答えは❌️が多い。それではつまらないので◯になる問題も必要。一般的な内容を問題にするので、クイズは作りやすい。子どもたちは◯❌️を答えるだけでなく、なぜいけないのか、どこが良いのかを説明させる。この様子を見ていると、みんな社会生活上のルールは漠然とではあるが頭に入っていることが分かる。こちらが期待する答えを完璧に言える子もいる。みんなすごいぞ!この調子で成長してくれ!
先週末帰りに、中2のOBと出会った。私はこの目だから彼の顔も姿も認識できる距離ではない。かなり遠くから、「夢野先生!俺です!◯◯です!お久しぶりです!お元気でしたか?」と、小学生の頃からは考えられないほど丁寧な口調で話しかけてきた。身長も大きくなっている。声変わりもして、別人のようだ。だが嬉しそうに話す顔はあの頃のままだ。良い方向へ成長したね。中学校の生活が合っていたようだ。周りの友人に感謝だ。だが、みんながみんなこうなるとは限らない。少しでも幸せな笑顔を増やすため、また新たなSSTのネタを集めてクイズを作るぞ!
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