現在入院生活を満喫している私。初日こそ空き部屋がなく個室でオットマンのある優雅な生活を楽しんだが、
今は大部屋俳優。8000円の部屋が恋しい。
入院患者にもいろんな人がいる。ほとんどが私よりも遙かに高齢の方々で、何らかの介助が必要な重度の患者が多い。そのため、一晩中おむつ交換やたんの吸引がありナースコールを鳴らしまくる人、認知症らしき人、耳の遠い人など、様々である。お年寄りとはこれが当たり前で、母の老人性難聴に悩まされているのだから慣れたものだ。父の介護経験もある。
四人部屋にいるのだが、他の三人がめまぐるしく移動していく。重症者病棟に替わる人が多い。空いたところへ入って来る人は同じ様な高齢患者が多いが、珍しく一人、私よりうんと若い、三十代前半から四十代半ばの若者が、いや、会社で言えば中堅どころが入院してきた。昭和の終わりか平成の初めということになる。この若者が困り者。まぁ、この若さなら介護経験などないだろうから仕方がないが、周りのお年寄りのおむつ交換の臭いに舌打ちしたり、不満を小声で独り言のように言ったり、ベッドの上で携帯のスピーカーをONにして相手が出るまでずっと呼び出し続けたりそのまま大声でしゃべったりする。病院でのマナーもへったくれもない。確かに、この年頃の若者は職場でも「おゆとりさま」だの「○○世代」だの言われて手を焼いている。「自分探しの旅」というやつが流行ったのも彼らの世代。自己中で一番扱いに困る年代か?しかも、顔を合わせても同室の私が挨拶しているのに返事もしない。そのくせ、看護士にはワントーン高い声で愛想良く話す。ゲーム機が家庭に蔓延し、幼少期から閉じこもってゲームする時代に生まれ育った人たちだから仕方がないけど、他人とのコミュニケーションをとらない世代。やることなすことに意味や説明を求めるだけで、自分では何も考えようとしない。考えることを省略されてきた世代。経験もないのに語彙は豊富。中身が伴わないから考えもまとまらず、仕事があわないからとすぐやめる。言いたいことは他にも山とあるが、我々だって「新人類」とあだ名された世代。ただ歳を取って経験値を積んだだけ、細かい点が分かるようになっただけ。若い頃は今隣のベッドで寝ているお年寄りの方々に文句を言われていたに違いない。それを考えると若者の悪口など言って良い訳もない。順送りである。彼らの行いを見て次の世代が何を学ぶのか、見守るだけだ。まずは、自分が老害にならないように気をつけることとしよう。