演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

オレンジの陽の向こうで(ほしおさなえ)

2020年05月18日 06時57分54秒 | 読書

東京創元社のミステリーシリーズの一冊で、ファンタジーミステリーと銘打っている。
昭和40年代の後半にSFブームがあり、小松左京の「日本沈没」がベストセラーになるなどしたため、中間小説雑誌がSF特集を組み、なんでもSFを付ければ売れる、と言われたことがあった。


今は逆で、SFは売れないから、ファンタジーなのだろう。
内容的にはパラレルワールドの世界がどうなっているのかを、男女の愛を絡めて描いたものであり、「活版印刷三日月堂」の雰囲気とはだいぶ異なっている。

ストーリー的には面白いのだが、ロジックが時々不明瞭になるのだが、それはファンタジーだから許されるのだろう。

出だしが少しスローで、途中まで来ると読みやすくなる。SFが好きな人にはお勧めです。