講談社ミステリーランド第1回配本の殊能将之の作品。
あらすじは、講談社BOOK倶楽部より
団地に住む、少年ショウタと親友トモヤ。トモヤは学校に行かずに、部屋に籠もって本ばかり読んでいる。そんな彼がするのは、いつも奇妙なつくり話。団地に住む魔女の話や、子どもの国を支配する残酷な王様の話……。だが、ある日ショウタは、トモヤが言ったとおりの格好の男を目撃する。まさか、子どもの王様は実在した!?
評価が難しい作品です。子供が読むには難しいような気もするし、大人が読むと途中で結末が読めてくるような、中途半端な面がある作品かもしれません。
ショウタのお母さんのサオリさんが、なかなかいい味のキャラクターで、作品が暗くなるのを救っています。
小学生の感想を読みたい気がします。
講談社ミステリーランド第13回配本の加納朋子作品。
あらすじは、講談社BOOK倶楽部より
父の転勤で北九州の社宅へ引っ越して来た高見森(たかみしん)。同じ社宅に住む子どもたちと仲良くなるにつれ、彼らがある秘密を共有していることに気づく。そして「パック」と呼ばれる謎の少年には、ある役割があった――。理不尽な想いを抱える仲間を守り、仲間に守られながら生きる少年少女たちの、清々しく明るい物語。
いいあらすじを探しましたが、見つかりませんでした。自分で書くのもめんどくさいので、いつも引用でごまかしているのですが・・・。
謎のタイトルは途中で解明されます。基本は子供たちの友情物語ですが、マークトゥエインの『トム・ソーヤーの冒険』の、現代版かもしれません。続編があるとすれば、「ハックルベリー・フインの冒険」のような作品が期待されます。
講談社ミステリーランド第4回配本の西澤保彦作品。
あらすじは講談社BOOK倶楽部より
菅野智己は母が再婚した4年生の頃、突然、眠りに就くことで猫の身体に乗り移れるという不思議な能力を持った。身体を借りている猫にジェニイという名前をつけ、巨大なセントバーナード犬のピーターと友達になった智己が6年生のとき、クラスメイトを含め3人の女子児童が襲撃されるという事件が発生し、1人が重態に。昨年秋に、同じく町内で起きた女子児童誘拐未遂事件の犯人と同一人物の仕業のようだ。被害者の共通点は、智己の義理の姉久美子さんが家庭教師だということ! 智己はジェニイになって、ピーターとともに事件を調べることにした。
ポールギャリコの「ジェニイ」という小説へのオマージュ、と作者自身が書いている。ポールギャリコの小説は読んだような読まなかったような、記憶があいまいだ。
お話として読めば、楽しめる作品かもしれない。ただ、大人のコーナーに置くのではなくヤングアダルトか子供向けのコーナーに置いておいて欲しい作品だった。
麻耶 雄嵩の小説で、本格ミステリ大賞受賞作。前作「神様ゲーム」の続編ともいえる作品だが、単独で読んでも全く違和感がない。大体前作は講談社で、本作は文芸春秋だ。
殺人事件が連続して起きる話なのだが、推理は当たっているのか当たっていないのかよく分からない形で進行していく。
まあ、前作よりも後味は苦くないので、この作品だけが漫画化されたのもわかる気がする。
こういうのを、心理ホラーミステリーというのだろうか。さりげなく打たれた布石が、なるほどそうだったのかと、思わせるのだが、一つ疑問なのは、こういうのを本格的ミステリーというのだろうか?
お勧めはお勧めです。