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歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

認知症と言われる時は?

2008-09-30 23:32:28 | Weblog
一昔前なら、認知症などと言う言葉はなかった。
今では、止め言葉となっているよばれ方まであったろう。

ツイ3年前までは、痴呆。
そのチョット前が、呆け、恍惚。
この3つは傷つける言葉だということで創られたのが、認知症。

認知力が低下してくる病気だから、ということでつけられたのだろう。

認知症といってもアルツハイマー型ばかりではない。
超高齢者の認知症の半分以上は、アルツハイマー型といわれるが、
その症状はさまざまである。

ごく最近、アルツハイマーと診断されていた中に、
レビー小体型、前頭葉側頭葉型が多く見られることが判ってきた。
画像診断が、より詳しく見られるようになったからである。
レビー小体型は、アルツハイマー型よりも、塩酸ドネジペルが効果を表す。
前頭葉側頭葉型は、ドネジペルによって、より凶暴になる場合が多い。
脳が活性化しすぎるからだと思われる。
こちらの症状は、自分ではどうにも抑制できない行動が伴う周辺症状が出る。
これが、BPSDといわれる症状である。
ピック病もこちらに含まれる。
後者の方が、発症後期になっても記憶は保たれている。
(以上は、私が知る範囲とケア経験から)

認知症の人が施設に入居してくるときは、
介護の担い手が少ない家族ではどうにも24時間の世話(相手)が出来なくなった時、夜間の動きが活発で眠れなくなった時である。

認知症といわれる人は、全て「自分以外の誰か」が存在している。
認知症の人にとって、「自分以外の、モノ、ヒトは全て環境」である。
環境の不適合が認知力の低下となり、周辺症状(BPSD)が起きる原因となる。


著明な認知症研究者は、
「認知症というのは病名ではなく、症状名」だと話された、と聞いた。
どんなに症状が思いヒトでも、山の中で誰とも関わらずに暮らしているなら、
それは、アルツハイマー病であっても、認知症ではないとの事だ。


たしかに、私の関わりがあるSさんの例を見ても同じことが言える。
広い自宅で夫婦2人で長年住んでいるSさん。
アルツハイマー型である。塩酸ドネジペル服用中。
自宅では、全く問題なく静かに暮らしている。
週2回、施設に通っている。デイサービスだ。
と、他の利用者に怒鳴る、徘徊する、という周辺症状が出る。
連れ合いの休みを作るためのデイだが、
本人にとっては、余計な環境を与えられたための認知症発症となるのだろう。
自宅にいては問題がないので、連れ合いはいつも不思議がっている。


このような認知症もあるのだ。

ただいま~!学会参加終了

2008-09-28 22:30:14 | Weblog
2泊3日の認知症ケア学会に参加してきた。
ずっと若い頃、徳島に何年間か住んでいたことがあるので、
それ以来の四国である。

会社のほかの参加者とは別行動して新幹線で往復したので、
初めて瀬戸大橋を渡った。
感想?
ヒコーキより、ゼッタイ正解!
楽しい一人旅だったなあ。
帰りは岡山に途中下車して、備前焼を買い物。


高松での3日間は、食事・行動を共にしたので、普段話せない中身の討論を他部所のメンバーと出来たのが良かった。
それぞれの考え方の相違を、聴くこと、話す事も出来た。
なかなか熱く語っていたなあ。
どうしても覚めているのは、年代が違うからかな?

「拠点のスタッフと飲みに行かないの?」
「持論として時間外は個人的な付き合いはしない。飲めないから誘いにくいと思うよ。
それに、いないほうが悪口言って発散できるんじゃないの。」
「大人だねえ。」
この年になってて大人でないほうがおかしいだろう。(笑い)


舞台慣れしているといっても、
畑違いの初体験である。
妙な突っ込んだ質問が来ないかと、やはり気になっていた。
会社の付き添い(応援団?)は5人もいて、部長クラスまでいる。
答えられない会社内部のことについては、会場から答えてくれる手はずだったが、そのようなこともなく、質疑の時は笑顔で応えることが出来た。

発表者は医療職と研究職がほとんどなので、介護関係者は少ない。
今年の学会の方向性を教育講演などで聴くと、
どうやら最も最新のテーマに当てはまっていたらしい。
「服薬調整とケアの関係」
入居者を中心とする、家族・介護・医療のチームアプローチ、それに伴う服薬の仕組み。
介護(ケア)で解決できる周辺症状と、
服薬調整しないと解決に導けない周辺症状がある。
特に、共同生活維持を目的とする施設介護では周辺症状の内、脱抑制行為は自立混在型施設の場合はスタッフの介入だけでは困難である。
脳の傷んでいる部位によってケアも異なる。
薬の使い方も異ならないといけない。

指導いただいた医師には、医師の立場から忌憚ない意見をくださった。
最終が4日前だったが、医師の意見が大きなヒントとなり、
PPを作り変えることとした。
私独自の「服薬調整の仕組み模式図」を考えることが出来た。
恐らく会社の著作になるだろうが、私自身は今後もつかえる立場にある。

タイムオーバーもなく、進行を助けてくださる議長のS先生からも高い評価をしていただけたので満足している。
ここまで来られて本当に良かった!
業務支援のメンバーにも感謝!
PP作成を助けてくれてありがとう!
でも、やはり、次は自分で作りたい。パソコン教室に少し通おう。
ン?次?
S先生からも専門誌への投稿を進められているので、こちらは自力で投稿するつもりである。(学会も応募は個人で自力だったんだけど・・・)


事例検討会は1000名収容の大ホールであった。
参加応援メンバーからもいわれたけど、
歌えなかったのがザンネン!(笑い)


さて、1日休みをもらって、日常業務に戻ることにする。
明日、お土産は会社についていることだろう。
学会で得たものは、少しづつブログに載せていくつもりである。

仕上げは?あと1日

2008-09-24 23:03:04 | Weblog
最後の最後まで訂正、修正をしなければいけなくなって休日出勤。
あと一日、明日は最終版は電話とメールで打ち合わせる。

数日前、予定なしで会社の勉強会で練習をするようにと言われ慌てた。
その前夜、原稿を修正したばかりで読み込む時間なしだった。
「もう、何でもイイヤ!」と、開き直り(笑い)

学会からページを増やす指示があったので、5ページ以上も増えている。
当然5分オーバー。
長すぎる。が、何もしていないので自分でも納得。
共同研究に名前をお借りしている方。
原稿を見ていただくのは2度目、
厳しく言ったけれど、といいながら、おかげで会社臭が減る。
この方と、学会の指示は絶対だから、ありがたかった。
本来の目的に合う内容でなければ、ご自分の名前を入れたくない、とまで言われた。
明日は読み込みをしよう。
上司の一人から「書き込んだコメントいがいは言わないように。」と指示が出ているらしい。「焦点がずれるといけない」そうだが、
コメントはチェックされるので、余計なことは言うなということだろうけど、
そんな時間は与えられていない。
質問が来たら、答えるのは私だ。

PPの内容は、自分の意図したところにより近くなった。
これなら説明できる。

しかし、日本語って難しいですね。助詞や前置詞の使い方が下手だなあ!と、
つくづく思いました。


何とか早めに切り上げて、唯一の楽しみの方へ出かける。
最近、声がすっきり出るようになり、歌っていて楽しい。
2時間半の間、歌いっぱなしでも大丈夫だ。
メンバーが少ない内に思いっきり歌っておこう。
曲は、
フイガロの結婚、終幕。スザンナを歌っているが、代理で伯爵夫人も歌う。
バロック(ヘンデル)の二重唱・メンデルスゾーン二重唱、は、アルトを付き合う。
最後に、ルチアのアリアの練習。
ルチアは1幕の、エドガルドとの二重唱と、エンリーコとの二重唱は本番で歌っている。
狂乱のアリアは大変な曲なので、楽しんで歌うだけでよい。
ア~、満足!(笑い)



季節の変わり目は体調も変わる

2008-09-22 00:05:40 | Weblog
高齢者施設の宿命ともいえるが、新設から2年目ともなると突然の体調変化が起こる。
健康な高齢者など全く入居していないし、
いつ、何が起きても不思議ではないのだが・・・、

スタッフの経験不足が、思わぬ手違いを起こしそうでとてもコワイ。
何か急変があったときの連絡不足。
家族・医師・施設内の看護スタッフ・介護スタッフ同士など。
このチームプレーの一角でも崩れると、
リスク管理不足である。

以前の勤務先で、認知症の家族に、
「こういう状態なので、あまり意見や苦情を申し上げると、本人に返って来るのではないかという懸念がよぎって、なかなか本心を言いにくいものですよ。」
といわれたことがある。
かなり細かいことを話しておられた家族なのだが、それでも話しにくいことはあったという。
この話を聞いたのは私だけ。
つまり本当に聞いて欲しい相手にはいえなかったということだ。
苦情を言いたかったのは、私の上司、施設の管理者の立場の人であった。
退社する前に伝えるつもりだったが、
何も変わらないと感じていたので、そのままになってしまったが、
やはり言うべきだったろうか。

この家族の言葉は私の胸に響いている。
私もまた、家族でもあるから・・・。


急変者が2人。
転倒?してから病気だと思い込んでしまったAさん。
「具合が悪いから食事など出来ません。」
飲み物はのめるが固形物は全く受け付けない。というか、拒否。
1週間で5キロ減。
食事量が少ないので、インアウトチェックをし、
毎週の体重管理を続けるよう指示していたおかげで早く対処できた。
Aさんの家族は気がつかないタイプなので、
早めに電話連絡し、医師面談を進め、明日予定している。
ターミナルのことまで話し合いたい。

身体機能の変化にスタッフが気付いていながらナース報告まで考え付かなかったというBさん。
どうやら小脳辺りの脳出血という診断。
いつもの大声発声はあり、座位も取れるので見た目は判らなかった。
朝から左不全麻痺。肩から下下肢まで。下肢は少し動く。
水分は飲むが、食べるのが大好きなBさんが全く食べなくなっていた。
「食事は?」「食べてます」
実際は食べていなかった。
「いつからおかしい?」「朝起こして着替える時、なんとなく変だと」
午後まで誰にも気づかれず。

体調が変わる人なので、私もナースも何回も様子は見ていた。
が、いつも車椅子に、それもリクライニングに座っているときだった。
体の傾きでもないと見た目は判らない。
声も大声が出ている。

私ももっと観察するべきだったと反省している。


これをきっかけに、些細な変化・情報も必ず報告するように徹底したい。
これこそ私の事例見当のテーマそのものである。

この何日か、数が足りないパソコンを確保して、プラン作成とPPの修正で何時間も画面に向かっている。
いちどは治りかけた肩こりが今夜は再び出てきそうだ。
関節も強張っているのでそろそろお休みしよう。
ドリンク剤、活用してるけど、料理と買い物をする気力が失せた。
自然ダイエット?(笑い)

そうそう、今朝は強い振動で驚きました!
自然災害が一番怖ろしい。

立ち待ちの月

2008-09-16 23:36:28 | Weblog
昨夜からの雨模様がお昼前から「ハレーッ」になり、
帰宅時間に合わせたように、
雲の切れ間から、まだ丸いお月様が観られた。

14日が十五夜、昨日が十六夜、今日が立ち待ちの月。
日本人でよかった!と感慨に・・・、美しい言葉ですね。

月にほえる?
オオカミじゃないけれど、月光が好き。
アレはね、なんて科学的発想なしでいい。


14日は朝から幕張まで。嚥下学会に参加した。
嚥下学会は5千人規模だという。
研究発表を3時間、18組を聞く。
ランチョンセミナーは当社が共同研究している「滑らか食」の発表。
実際にも少しづつ提供されている。
昨年の試食よりおいしくなっているように感じた。
対象職種は、リハビリ・耳鼻咽喉科・歯科医・歯科衛生士・看護師。
私はケアマネと言う立場での参加。

同じ場所で24日から「福祉機器展」が開催される。


15日は長寿のお祝い。
ささやかながら、お夕食はお祝い膳を提供。
初物で松茸ご飯。煮物、焼き物、揚げ物、和え物、向う付き、水菓子。
よさん2000円の特別メニュー。
食前酒には梅酒。
最高齢が101歳。白寿が2人。米寿、還暦と、親子の年の差。
米寿の方に一言お話をいただく。
「夢を見ました。もう少し元気な頃の。
杖を片手に、片手はスタッフさんに預けて、河原を歩きました。
ごろごろ石で歩きにくかった。
川があり、向うの方に門が見えました。
階段を上がると、もう先に亡くなった人たちが出迎えていました。
『あなたはまだ来る人じゃない。戻りなさい!』
そういわれて中に入れてもらえませんでした。
今、私はここにいるんです。」
この方、退院してきたばかりである。
この夢の話を聞いていたので、ぜひ話して、と頼んでおいたのだが、
話してもらってよかった。
涙ぐむ人が何人も・・・。

来年も同じ顔が揃うだろうか?
ご入居者も、スタッフも。