歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

知人のプロデユースオペラ「リゴレットハイライト」

2008-10-31 21:38:03 | Weblog
友達を通じて案内が来ましたのでご紹介します。
もし、ご都合がつけば見に行ってください。

11月10日19時開演
江戸川区の凸版ホール  入場料5000円

メインキャスト
     リゴレット・・・・松尾 興
     マントヴァ・・・・村上博明(最近注目テノール)
     ジルダ・・・・・・森***(新進ソプラノ)
     伴奏・・・・・・・河原さん


私はお仕事の調整がつかず残念ながら行けないのですが、
友達を通せば、4000円に割引になります。
  

心残りの願いをかなえる

2008-10-31 21:23:25 | Weblog
平均寿命から見れば、大往生の年齢である。
血管が硬くなり、点滴の針が維持できなくなりつつある。
口から食べる意欲は、ほとんどなくなっている。
あれほどしっかりした意思の方だったが、
めったに声を出さなくなった。
それでも、お世話をすると、
「ありがとう」
「何もお出しするものもなくてごめんなさいね。買い物にいけないものだから」
ということがある。

何人ものお孫さんを預かったり、世話をしたそうである。
その証拠に、お孫さんたちの訪問も良くある。

「良い天気ですよ。」
「外へ出かけたいねえ。」
「どこへ行きたいですか?」
「そうねえ、何処でもよいけど・・・、お墓参りに行きたい。」
「お墓は何処なの?」
「チョット遠いの、**霊園」


この方の看取りを家族と話し合った。
そのときになって慌てないように、心構えと具体的な動きを確認した。
最後まで静かに見送ること。
葬儀が決まるまで遺体は安置し、スタッフもお別れすること。
仮通夜をすること。

ご本人が行きたいと話されていた「お墓参り」を打診してみる。
家族は了承。ご自分たちも一緒に行くという。
ご本人の体調の良い時、なるべく早く、天気の良い時、が条件。
家族の都合とこちらの都合とあわせ、連休明けの週になる見込み。
介護タクシーでリクライニング車椅子。
看護師と私が付き添い、酸素ボンベ、吸引セットも持参する。


入居して1年。
一時は「せん妄」が強く起きて、点滴台を引っ張りながらの徘徊もあった。
しばらくぶりであった息子さんを「ドロボーッ」と叫んで、
息子さんがショックを受けたこともある。
そういう時期が3ヶ月、
「起こしてー、開けてー(開いている)」と、よく叫んでいる。
淋しがり屋で、居室で寝ていられない人である。
モーニングケアで訪室すると、なんともいえない安心した笑顔をする方である。
その顔を見ると何をされても、全て許してしまえる。
それが認知症ケアの醍醐味だ。

その人が、今は静かに寝ている。

衰弱した身体には負担が大きいが、
心残りとなった「墓参り」に、何とか一緒に行きたい。

アクテイビテイは年中多忙

2008-10-30 00:01:01 | Weblog
開設2年目の施設である。初めての文化祭を企画している。
アクテイビテイ委員は他にもいるが、施設の行事に何をするのか、できるのかを、まるで理解できていないので80%一人で動くこととなる。

「若い人にやらせて監督だけにすればよいのに!」
「やらせないと覚えないでしょ。いい加減タイヘンだよ。」

日常業務をしながら、余分な企画を運営して実行しなければならないのでスピードが何より必要となる。
1から十まで説明して、実行できるまで待っているだけの暇がないのだ。
自分でやる方を選ぶ。そのほうが早いからだ。

今年を見て、何をすれば出来るかを残しておけば、
次は何とかできるのではないか?
そう期待したいが・・・?


家族・入居者向けに「ご案内チラシ」を作成。
作品は各フロアとフリースペースの全館に展示。
普段、生活するフロア以外のフロアを訪問して交流を深める目的が一つ。
認知症の周辺症状がある方の元来の姿を、その作品から知ってもらうのも目的の一つだ。
入居者同士のコミュニケーションが良く、合同作品が作られるフロア。
拾ってきた木屑や落ち葉、毛糸を使って、
アレンジメントや模造紙大壁掛けを作ってみた。
夕食後、飾り終わったフロアで早速交流が。
もくろみ、成功!?

ほとんどは無記名で番号をつけ、人気投票をする予定である。
No.3まで賞品を出す。

オープニングのフラダンス、
初めて見る、ベリーダンス。
「はじめは刺激が強いので、上から布を掛けて踊りましょうか?」
そのようにしてもらうことにした。
おじいさんたちは車椅子から立ち上がるかも!(笑い)
最終日の3日は「喫茶***」開店。
秋葉系(?)ウエイトレスが出現する。


来月はドライブ企画が2回、お祭りもある。
それが終われば、すぐクリスマスだ。
お祭りは、隣の神社にあわせて行う。
今年は、3回もあるので火事が多い年だという言い伝えがあるが・・・
メニューは、芋煮会にしてもらう予定。
うちの拠点はこの祭り(年の市)に重きを置いている。
会社の幹部にも声をかけ、家族参加も呼びかける。

アクテイビテイが多忙なのは、年中行事である。

11月は区分変更もあるし、ケアプラン面談が立て続けに4件ある。

老人ホームは「家」

2008-10-27 18:53:25 | Weblog
自宅で亡くなったときと同じような手順・処置をする。
そして、遺体を自宅、または家族の元に戻さない時は、ホームで葬儀を執り行うことも出来る。
ただし、これについてはホームによって異なるので入居時に確認が必要だ。

うちの拠点も狭いスペースながら、家族が「どうしても」と希望されれば可能である。
しかし、余分な人数もスペースもないので、
葬儀まで執り行うのはスタッフの負担がとても多くなる。
葬儀社が入っても勝手が判らないので、(入居者も生活しているし、)
家族・親戚などの接待はこちらがすることになるのだ。
いまの会社でも、たまたまヘルプで行っていた先で経験している。

もちろん他の入居者に判らないように執り行うことは不可能である。
入居者にも参列していただいて送ることになる。
「ご近所付き合い」として・・・。

ターミナル期になる入居者が2人。
息をひきとられてからのことを後手にならないよう話し合って置くようにと拠点長にうるさく言っている。
いざとなってからでは、慌ててしまうからだ。

なんでこんなことを私が心配しないといけないのか?
うるさく言うまで何も動かないのが判っているからなのだが、
それが仕事なんじゃないの?と、言いたい。

自分のことは後回しにするが、仕事は思いついたら早く決めないと気がすまない性質である。


気分転換に秋物衣料を買い物する。
黒系パンツを2本とモスグリーンのTブラウス。
通勤用だ。
セール中でくじ付き。
大アタリ!5000円の金券だった。
この店でしか使えないが、ときどき買う店なので、とても嬉しい!ラッキー!


最近、電気をつけたままでも寝てしまい朝まで起きない。
今朝は夢を見ていた。
友達が結婚したという。
「なんでもっと早く言わないのよ!水臭いわねえ!」
ホントに腹が立っていた。(笑い)


ワタシ、企画する人

2008-10-25 21:32:43 | Weblog
アクテイビテイの企画は一番多くするけれど、そのほとんどに参加することがない。
企画・構成・参加者の確定・車の手配などは私の仕事である。
これも仕事の内だが、何もしないで付き添いだけというスタッフも多くいるので、納得しがたいときもある。

縁の下の力持ち。
まさにその通り!

ここまでやってあげたんだから、後は行くスタッフで何とかしなさいよ。
そう言いたくなる。

今日は、お孫さんの結婚式に出席するパーキンソン病の入居者と。
別な入居者の娘さんの日本歌曲のリサイタルが重なっていた。
リサイタルの方は、私は担当ということもあり「いらしてください」とお誘いを受けていたが、拠点長は「調整します」といいながら、全くそのような気配なく忘れてしまったようだ。
もちろん自分は「招待された」といって私が声をかけた入居者たちと出かけたが・・・。

聴きたかった曲があるので、あとで録音を聴かせていただくつもりだ。

こういう物忘れがこの**クンには多い。
私が、**クンとしか呼べない所以である。
形的には上司だし、**クンは自信を持って上司だと信じているが・・・?


うちの拠点の評価、とてもユニークな(不思議な)結果が出ている。
入居者と家族の評価:4.2(5点満点)
勤務スタッフの評価:2.5

普通、入居者と家族の評価が高ければ、スタッフの満足度も高くなるはず。
果て、どうーしてでしょーねえ!
ある入居者から聞いた言葉、
「この人は信じられる、この人はどうもねと、個人の名前を書くわけにいかないでしょ。だから施設に対して評価するしかしかたないのよ。」
案外的を射てるかも。
「スタッフさん、若くて経験が少ないですものねえ。ほんとに大変そうですねえ!」
と、同情されることもしばしばある。


このところ、他拠点から2人のスタッフが移動してきた。
どちらも経験5年以上、リーダー以上の経験者だ。
が、うちでは1スタッフとしての勤務である。
こういう人事はモチベーション下がる?
ワタシ、本人たちの反応を見たくて聞いてみた。
結果?なかなか面白かったですよ。
1人は、完全にダウンモード。
1人は、気楽でそのほうが良いみたい。(向いている)
その2人から同じことを言われた。
「**さん(ワタシ)の仕事量が多すぎる!」

私の手助けが出来るようにしたいといってくれている。
期待するのは、現実にできてからにしよう。

口ではなんとでも言える。