①「どろぼー!」「どろぼーがいるよ」
②「***にお金を何千万も盗られた」
認知症のBPSD(周辺症状)に「盗られ妄想」がある。
①は、入居間もない時期におきる状況で、夜間が多い。
見慣れないところで、見慣れない人間が自分の部屋に入ってくる。
これは怖いですね。環境変化に弱い認知賞の人にとって、見回るスタッフは不信人物なのです。
トイレにお連れしようと奮闘する!ということになる。
1ヵ月後には笑い話になります。
②は、認知症の人の、最も身近な人に対しておきる。
毎日面倒を見ているお嫁さん、義理の姉妹。金銭面も頼ってきた人に対しておきます。疑われた方は深い心の瑕が残る。
血縁関係のない義理の関係がほとんど。
心の深いところで信じきっていないということなんでしょうか。
疑われた方は、本人が病気とわかってからも、なかなか許せなくなります。
辛いですね・・・。
もうひとつの場合の盗られ妄想も存在します。
Xさんは、スタッフPを犯人だといいます。
盗られたという品物:着古した下着、古い帯締め、手帳の鉛筆
スタッフPに集中する前は看護師でした。
看護師が留守中に訪問し、膿盤を置き忘れたことが引き金でした。
「物の置き場所が変わる」
そこから始まり、変化しました。
手帳の鉛筆はシーツ交換の際出てきました。
古い下着は破れたので、Xさんの了解のもと、Pが処分したといいます。
帯締めは私も見たことがなくわからず。
同じような紐はあるが、それではないとXさんは言う。
よくよく話を聴いていると、
自宅を借家にするために自分の荷物を処分した時、Xさんは立ち会わなかったらしい。一人息子は従妹たちに衣類などは分けてしまったのだろう。
姪御さんたちは入居後は何回か訪問していた。
この1年は来ていない。
息子さん以外、友人の訪問もない。
若い頃はやり手のキャリアウーマンだったらしい。
間もなく90歳になる。
息子さんには、Pに物を盗られて嫌な思いをしていることは言えないのだと言う。
「ここから出て行きたくなるよ」
どこにも行き先のない方でもある。
息子さんは毎週、時間は短いが顔を見に来られる。
それでも話せないことがあるのだ。
Xさんにとり、環境が変わりストレスが増えると、もの盗られの非難が増える。
但し、話をする相手は選んでいる。
矢面に立っているPも悩んでいる。
認知症とばかりは片付けられない「盗られ妄想」なのだ。
なぜなら、Xさんは高価な貴金属をたくさん持っているが、「盗られた!」モノは、なんと言うことのないものばかり。
Xさん曰く「嫌がらせ」のようなものなのだが、それだけにXさんの心の中の扉を開いて見たいと考えている。
少しだけ、ほんの少し、Xさんの扉の隙間を垣間見たような気がする。
②「***にお金を何千万も盗られた」
認知症のBPSD(周辺症状)に「盗られ妄想」がある。
①は、入居間もない時期におきる状況で、夜間が多い。
見慣れないところで、見慣れない人間が自分の部屋に入ってくる。
これは怖いですね。環境変化に弱い認知賞の人にとって、見回るスタッフは不信人物なのです。
トイレにお連れしようと奮闘する!ということになる。
1ヵ月後には笑い話になります。
②は、認知症の人の、最も身近な人に対しておきる。
毎日面倒を見ているお嫁さん、義理の姉妹。金銭面も頼ってきた人に対しておきます。疑われた方は深い心の瑕が残る。
血縁関係のない義理の関係がほとんど。
心の深いところで信じきっていないということなんでしょうか。
疑われた方は、本人が病気とわかってからも、なかなか許せなくなります。
辛いですね・・・。
もうひとつの場合の盗られ妄想も存在します。
Xさんは、スタッフPを犯人だといいます。
盗られたという品物:着古した下着、古い帯締め、手帳の鉛筆
スタッフPに集中する前は看護師でした。
看護師が留守中に訪問し、膿盤を置き忘れたことが引き金でした。
「物の置き場所が変わる」
そこから始まり、変化しました。
手帳の鉛筆はシーツ交換の際出てきました。
古い下着は破れたので、Xさんの了解のもと、Pが処分したといいます。
帯締めは私も見たことがなくわからず。
同じような紐はあるが、それではないとXさんは言う。
よくよく話を聴いていると、
自宅を借家にするために自分の荷物を処分した時、Xさんは立ち会わなかったらしい。一人息子は従妹たちに衣類などは分けてしまったのだろう。
姪御さんたちは入居後は何回か訪問していた。
この1年は来ていない。
息子さん以外、友人の訪問もない。
若い頃はやり手のキャリアウーマンだったらしい。
間もなく90歳になる。
息子さんには、Pに物を盗られて嫌な思いをしていることは言えないのだと言う。
「ここから出て行きたくなるよ」
どこにも行き先のない方でもある。
息子さんは毎週、時間は短いが顔を見に来られる。
それでも話せないことがあるのだ。
Xさんにとり、環境が変わりストレスが増えると、もの盗られの非難が増える。
但し、話をする相手は選んでいる。
矢面に立っているPも悩んでいる。
認知症とばかりは片付けられない「盗られ妄想」なのだ。
なぜなら、Xさんは高価な貴金属をたくさん持っているが、「盗られた!」モノは、なんと言うことのないものばかり。
Xさん曰く「嫌がらせ」のようなものなのだが、それだけにXさんの心の中の扉を開いて見たいと考えている。
少しだけ、ほんの少し、Xさんの扉の隙間を垣間見たような気がする。