昔の人は山登りの時など「六根清浄」(ろっこんしょうじょう)を口々に
唱えました。今でも修験者は六根清浄を唱えていますが、この六根とは
眼・耳:鼻・舌・身・意の働きの事で、眼は不浄を見ない、耳は不浄を聞かない、
鼻は不浄を嗅がない、舌は不浄を味合わない、身は不浄に触れない、
意(心)は不浄を思わない、つまり身も心も無垢清浄になろうという祈りの言葉であり
それが「六根浄」となり、「どっこいしょ」となりました。
お寺や神社の御手洗の水盤によく「洗心」の二文字が彫り込まれています。これは、
「ここで口を漱ぎ手を洗うのは、単に身を清めるだけでなく、心の穢れを洗い清めて
下さいと言う意味です。
耳の話ですが、言葉は前向きな事を言うのがいいといいますが、良い言葉を
聞く事も同じくらい大切です。「ダメだ、ダメだ」と言われ続ければ、心も体もダメに
なってしまうし、「がんばっているね」「ありがとう」など、自分を肯定してくれる言葉を聞けば
心にも体にもエネルギーがあふれ、ハツラツとしてきます。
お釈迦様もこう言われておられます。
花摘みの上手な人は、美しい花だけを摘んでいく。
賢い人は「良い言葉」のみを自分のものとします。「悪い言葉」を拾い集める必要はありません。
合掌